10 コスチュームの話 ページ10
昼休みの時間が終わり、ついにヒーロー科の生徒達にとって待ちに待った午後の授業が始まる。
授業開始のチャイムが鳴り終わる数秒前。
「わーたーしーがー！！」
というたくましい声がどこからともなく聞こえて来た後、「来た！！」と口走る1-Aの生徒たち。
彼らの予想を裏切る形で「普通にドアから来た！！」という名乗りを上げて、銀時代のコスチュームに身を包んだオールマイトが教室に現れた。オールマイトは「HAHAHAHA！」と豪快に笑い、生徒達に説明する。
「ヒーロー基礎学！ヒーローの素地をつくる為、様々な訓練を行う科目だ！！」
早速だが今日はコレ！！と、「BATTLE」と書かれた掌サイズのパネルを持って掲げて見せながら、オールマイトは声高らかに宣言した。
「戦闘訓練！！！！」
「「「「戦闘……訓練……！？」」」」
聞きなれない用語を口で繰り返し、それぞれ思い思いの表情を浮かべる生徒たち。
ニカッと笑うオールマイトはリモコンを操作して、教室の壁に収納されナンバリングされたケースを提示した。その中には、各生徒達のヒーローコスチュームが入っている。
「戦闘服！！」
「おおお！！」
「着替えたら、順次グラウンドβに集まるんだ！」
ほぼ大多数が届いたコスチュームに夢中になっている中、美麗は颯爽と1人で教室から出ようとした。が、お茶子に名前を呼ばれ、一緒に行こうと誘われたので、2人で更衣室に向かった。
「わぁッ。八万形さんの戦闘服かっこいい！」
着替えを終え、お茶子が美麗の格好を見て感想を述べる。
美麗のコスチュームは、ポケットとフード付きのパーカー、短パン、ニーハイ、スニーカーという、至ってシンプルなもの。ちなみにオールブラック。
「お茶子ちゃんのもすごく可愛いよ」
無表情で褒めたが心の底からそう思っている。本人は「ぴちぴちになってしまった」と言っていたが、それが可愛いのだ。それに、ぴちぴちの方がボディラインがはっきりしててエr…何でもない。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
追記:誤字直しました！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：えーり | 作成日時：2019年5月9日 0時
