11 午後の授業は先生と ページ11
コスチュームに着替え終わり、全員が集まるとオールマイトは私たちに授業内容を説明し始めた。
「君らにはこれから『敵組』と『ヒーロー組』に分かれて、2対2の屋内戦を行ってもらう！」
基礎訓練もなしに？ と疑問を投げかける蛙吹に、オールマイトは「その基礎を知る為の実践さ！」と答えた。
口々に質問や疑問を口にする生徒たちに混ざって1人、美麗はA組の生徒達のコスチュームをまじまじと見ていた。
(うわぁ、青山くんのマントホントにきらめいてるよ……でっくんのあれオールマイトの触覚ってよりもうさみみだよな、失礼だけど……ヤオモモ露出すげぇ…2.5次元舞台ではチャック閉じてたけど原作ではやっぱ…うん)
などなど一人で場にそぐわないことを考えていたら説明を聞き逃してしまった。我に帰ったときには「よぉし、ではそれぞれくじを引くんだ！」というオールマイトからの指示が出されていた。
どういう展開ですか…。
しょうがないから隣にいた八百万に聞いた。聞く途中視線があらぬところに飛んでたのは言わずもがな。
八百万に聞くところ、この授業では模擬屋内戦を行うようで、現在はそのペア決めにまで話が及んでいるらしい。
説明を聞いているうちに自分がくじを引く番が来た。オールマイトが持っているくじ箱の中から球体を一つ出す。しかし、そこには何も書かれていなかった。
「……先生、何も書かれてないんですが」
「ああ、それは『当たり』だよ」
は？ と思わず目が点になる。嫌な予感がする。もしやそれは私が一番嫌いな事では…。
「私と、やるのさ！」
……………。
いやぁ嘘だろ？ そんなオールマイトとやり合うなんて、バカな授業はないよ〜。何それちょー目立つじゃん〜。
と、オールマイトにだけ念じたらHAHAHA！と笑った。
「八万形少女！お互い頑張ろう！」
八万形美麗、終了の合図。
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作者名：えーり | 作成日時：2019年5月9日 0時
