49話 ページ1
Aside
梨華「あ、A!風邪、大丈夫だった!?」
「りーちゃん…うん、大丈夫、ありがとう!」
あれから1日が経って、私は完全復活して学校へ行った。
皆の心配してくれる声一つ一つに、「大丈夫」と返していく。
そしてそのまま席に座り、ふぅと一息吐くと、「おはよう」という声が頭上から聞こえた。
「あ、杉谷…おはよう、」
杉谷「おう」
今ごろになって杉谷の前で大泣きしたことが恥ずかしくて、ついぎこちなくなった。
でも杉谷は気にするような素振りも見せず、何も無かったように私の前の席に腰掛けた。
……気にしてないのかな、それとも、杉谷なりの優しさ?
そんなことを考えていると、杉谷は皆にバレないように、机にそっとメモを置いた。
〈目、赤くなってる。あれからまた泣いた?〉
「!」
私が驚いて思わずバッと顔を上げると、杉谷はシーッと人差し指を自分の口に当てた。
私は否定の意を込めて、首を横に振った。
そうすると杉谷は満足そうに笑って、「よかった」と呟いた。
杉谷の何気ない優しさに、思わず笑みが溢れた。
そして私は杉谷のメモに、ありがとう、と書いて、杉谷に返した。
梨華「A?なに笑ってんのー?」
「んー?んふふ、別に何でも無いよ〜」
そう言って私はまた笑みを溢した。
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