真面目に-2- ページ35
「子猫ちゃん。お願いがあるんだけド」
「夏目くんだー久しぶり」
「うン。あのネ、子猫ちゃんに見てもらいたい物があるんダ」
何日か前の朝、そう言った彼は、私の横に静かにやって来て、何か広告のようなものを見せてきた。
「なになに…?『恋愛占いフェスタ』?……これにスペシャルゲストとして夏目くんが出るってこと?」
「握手会も兼ねた占いイベントだヨ。ボクには丁度良いイベントだけド、ひとつ問題があってネ」
困ったように目を伏せた後、彼は小さく息を吸って私を見つめた。
突然全てを見透かされているような気持ちになって、息がしづらくなる。
「子猫ちゃん……」
「え、な、夏目くんどうしたんですか」
ゆっくりと彼が近付いてくるので、私もそれに合わせてじりじりと後退る。
こういう雰囲気には耐性が無くて、今何が起きているのか自分でもよく分かっていない。
いつの間にか逃げ場が無くなっていて、私は夏目くんに追い詰められた形になった。
「頬が熱いネ…?そんなに焦っちゃっテ……可愛いなァ♪」
頬を撫でられ、想像もしていなかった展開に頭と身体が追い付かない。
「ななな夏目くん」
「ハァ。子猫ちゃんの頭の中はあの子ばかりだネ?占いをしなくても分かる程だヨ」
急にさっきまでの空気がガラリと変わって、いつもの夏目くんに戻ったようだ。
そして、あの子というのはおそらくゆうくんのこと。
仕方ないでしょう。私の脳内は四六時中ゆうくん祭りなんだから。
「結局その問題って言うのは何?」
「ただ単にボクが乗り気じゃ無いってだけだヨ。だから子猫ちゃんがボクをその気にさせてくれないかナ…と思っテ」
意味が分かりません。さすが逆先夏目。
お子様じゃないんだからお仕事は真面目に受けなさいよー!
「まァ子猫ちゃんはボクにやる気を出させるにはまだ優れていないみたいだシ、この占いイベントはボクの出演時間を削ってもらおウ」
なんか馬鹿にされている気がするのですが気のせいでしょうか?
出演時間削るって……自由過ぎるよ夏目くん。
「そんな事出来るの?」
「ボクの出演時間を使ってどこかのユニットがライブしてくれれば楽だネ。あァ、そうダ。バルくんのユニットに頼もウ♪」
え…ゆうくんの仕事が増える。
→ゆうくんの疲労が増える。
でもまあ仕方なく夏目くんの我儘を聞いて一応トリスタに頼んでみよう。
ライブってことは衣装も必要だ。
__こうして今に至る。
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白華 藍(プロフ) - あまつさん» あぁ!知ってますよ!! (2018年7月8日 0時) (レス) id: 11d06c67c1 (このIDを非表示/違反報告)
あまつ - ちなみに!ヒロアかって知ってますか? (2018年7月1日 2時) (レス) id: a0311c36c2 (このIDを非表示/違反報告)
白華 藍(プロフ) - あまつさん» こちらにもコメントありがとうございます!励みになります(^^)ゆうくん愛どんどんぶちかまして行きますのでよろしくおねがいします← (2018年5月9日 16時) (レス) id: 11d06c67c1 (このIDを非表示/違反報告)
あまつ - ゆうくんメッチャ好きです!これからも頑張ってください! (2018年5月9日 15時) (レス) id: a0311c36c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白華 藍 | 作成日時:2018年4月29日 18時