焦がれた外 ページ37
すっと息を止めて手の甲にある証に力を込める。
すると、手の甲から二の腕、首あたりまで青い光が地脈のように這いずる。壁に手を置くと、その壁を越えて中の部屋に移動する。
簡単に言うと『瞬間移動』のようなものだ。
中に突然現れた私に中にいた被害者たちがどよめく。
そして、それらが言葉を発する前に口を閉ざすように声を掛けた。
『静かにね、被害者さん達。僕らは撮影機には映らないけど、君達は映るからさ。その場で待ってね
そうそう。君達に取引だ、僕らを信頼してくれれば、君らの命を助けよう。その代わりに私たちの会社が君達を助けたと軍警に言ってくれるかい?』
そう持ちかけると、被害者たちは目を見合わせるとこくこくと力強く頷いた。
ふふっと微笑むと続いていった。
『交渉成立だ、それじゃあ君達に触れて、人形を作らないと』
「成程、身代わりってことだな」
『一定時間を過ぎたら、消えるように設定しておくよ。織田作、彼らに何か付いていないか確認してくれ』
そういうと織田作は嗚呼と頷き、被害者たちの方へ歩み寄っていった。その間に、彼らの身代わりを異能力で生成し、彼らと似たような動きになるように調整をする。
全てが終わると、光が沈みかけそろそろ夜の時間へと近づいていた。
ようやく全ての調査、根回しが終わり、被害者らを外に連れ出せたのは部屋に入って20分後だった。
『さァ!!君達の待ち焦がれた外だよ!』
少し大声でそう言うと被害者の一人が涙ながらに言った。
「ありがとうございます…約束は必ずや果たして見せます。ところで貴方様の会社とは…」
その問いかけに対して私はこう答えた。
『私たちは…
__________武装探偵社さ。
暫く調査のために新聞に嘘の情報を流す。君たちの家に確認に来るだろうから。その時にそう言ってくれ』
「あの有名な!わかりました!必ず!」
『頼んだよ』
服や荷物を持たせた被害者らを返した後、私たちだけになった森で静かな風が吹く。
『さてと、帰りますか!』
「会社名をなぜ、武装探偵社にした?」
『ふふ、念のためにね?』
そして、夜の世界に入れ替わる。
廃病院の近くには一台の車が止まる。
「いい雰囲気だ!…なんか出そう」
「なにがだ。」
探偵が3人。ここに来たり。
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トカ - 続きが気になります!! (3月13日 18時) (レス) id: e74bb02192 (このIDを非表示/違反報告)
akira Ms(プロフ) - 続きか気になります! (2021年10月26日 0時) (レス) @page41 id: 861ea02611 (このIDを非表示/違反報告)
リエ(プロフ) - 続きが気になります!!更新待ってます!! (2020年8月17日 16時) (レス) id: b49ba01a8b (このIDを非表示/違反報告)
雪宮暦 - 完結してるんですか? 続き気になっていますので、もし続いているのでしたら、更新待ってます! 頑張ってください!(≧∇≦)/ (2019年10月22日 2時) (レス) id: 8bc008a5bb (このIDを非表示/違反報告)
さき - 完結お疲れ様でした。今までとても面白い作品をありがとうございました。いつかきっとまた貴女様の文章が読める日を待っています。 (2019年8月5日 22時) (レス) id: e215e85756 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珈琲チョコ | 作成日時:2017年12月2日 23時