【urt】dreamin’ Halloween Night【usss】 (ページ4)

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ベランダの窓は閉めたはず…と思ってそちらを見ると、開いていた。

開いていた事よりも、それを開けた人物が、そこに居たことに、目を見開く。

「え………」

待って、ここ５階なんですけど。５階のベランダから入ってくる人なんて、居る……！？

体格は、成人男性(少し…低めのような)。

緑色の瞳に、頬には３色の、傷？ヒゲ？のような模様。

たぬきちゃんとお揃いのような猫耳のパーカーは、長い裾をはためかせている。

すらっとした身体つきと、透き通るような緑の瞳が綺麗で、思わず見惚れてしまった。

その“彼”は、至極不機嫌そうにしている。
数秒私と見つめ合った後、彼はゆっくりと言葉を発した。

「俺のやまだ、連れ去ってんじゃねえよ」

「や…まだ？」

文脈と、彼の視線からするに、たぬきちゃんのことを「やまだ」と言っているようだった。…変わった名前付けたんだなあ…

「ったく…居なくなったと思ったら、こんな人間の女に拾われてるなんてな」

「え」

「勝手に攫っていってんじゃねえっての」

そう言うと、彼はこちらを睨んだ。

人間の女、って、どういうこと？
…まあ、確かに、勝手に連れて帰ったのは悪かったけど、一応、お世話したんだけどなあ…

「さ、攫ったわけじゃなくて…倒れてたこの子を手当てした、んですけど」

流石に黙ってはいられなくて口を出す。

「はぁ？」

「道端に倒れてたんです、この子が！」

口調を荒げると、彼が目を見開いた。

「倒れてた…って、お前が見つけたの？」

「そうですけど」

実際、こうやってすやすや寝てるじゃないですかたぬきちゃん！私のお陰でしょ！

思った事は口には出さず、抗議するように彼を見た。