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「お菓子、欲しいんですか?」

「ほっ、欲しくなんかねーよ!」

秒速で返ってきた返事の割には、彼のしっぽがゆらゆらと揺れている。あのしっぽは飾りではないらしい。


…お手本になりそうな程のツンデレ系だ。


笑いそうになるのを堪えて、彼に言った。

「友達に配る用に作ったものですから、良ければ食べてください?」

そう言うと、一瞬彼の表情がぱあっと明るくなった。
けど、すぐまた不機嫌そうな顔に戻る。

「しょ、しょうがねえから貰ってやるよ!」


「うま、」と小声で言いながらパクパク食べる姿が可愛く思えて、堪えられずにクスッと笑ってしまうと、彼が耳をピクリと動かした。
そうして、「…なんだよ」と恥ずかしそうにこちらを睨む。
「いえ別に」と返したら、不服そうながらもまたお菓子を食べ始めた。



食べている間に、たぬきちゃんはやはりやまだという名前だということ、彼は、うらたさんというのだということを教えてもらった。



「ごちそーさん。じゃ、帰るわ」

「え、あ、ハイ…」

帰る時は意外とあっさりしていて、少し拍子抜けする。


が、うらたさんはその場で数秒私の顔を見た。

「……」

「?」

首を少し傾げて見せると、うらたさんが言った。


「…明日の夜、また窓開けておけ」

「…は?」

意図がイマイチ分からず聞き返すと、


「だから!また来てやるから、窓開けとけって事だよ!」

と、またツンデレな答え。
お菓子を気に入ってくれたということだろうか。



「わ、分かりました…」


私の答えに満足したのか、私が呆気に取られている間に、上着?の裾をひらりと翻して、たぬきちゃんと共に出て行ってしまった。

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設定タグ:歌い手 , 浦島坂田船 , うらたぬき   
作品ジャンル:恋愛
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花夜 - ツンデレうらさん可愛いですね!友達から漂って凝る気配って坂田さんですか? (2021年12月24日 22時) (レス) @page16 id: 02079f421c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しろ鮎 | 作成日時:2021年11月4日 22時

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