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「私が一番、志麻の近くに居るのに。沢山の女の子が、志麻に近づいてきてさ。あの子達、志麻はカッコよくて皆んなに優しいって思ってるかもしれないけど、それだけじゃなくて、」
「ん？」
「ホントは人見知りだし、高い所苦手だし、ゲーム中毒だし、生足ショートカットの事しか考えてないし」
「オイ」
「…とにかく、私が一番、志麻のこと知ってるもん。…志麻の隣は、渡したくないの」
優しく見つめられていたら、今まで蓋をしていた気持ちが溢れ出して、言えてなかった言葉たちが声になった。
「でも、志麻はいつだって、何処に行ったって人気あるし。今は幼馴染の特権で何かと気にかけてくれてるけど、私なんかすぐに置いていかれる、って、いつも思ってる。」
「…」
私の言葉を黙って聞く志麻が、続きを促すような視線を寄越すから、私も続ける。
「私は…もう離れてた方が良いのかもしれないって思うけど…けど…」
それを考えたら胸が張り裂けそうで。
だから、いつも構ってくる志麻をこっちが適当にあしらうフリをして、自分の醜い独占欲を隠そうとしていたんだ。
…言葉をもう続けられなくなった私を、志麻は一際優しい目で見て、私の頬に当てたままだった手のひらをそっと、拭うように動かした。
その動きで気付いた。
いつの間にか、私は泣いていたらしい。
気付いたらもう止められなくて、流石に顔を下へ向けて視線を落とした。
涙がぽたぽたと溢れる。
「…ごめん、めんどくさいよね、こんな幼馴染」
もう、嫌われてしまったかもしれない。
でも、これが本心だったんだ。彼への想いは特別だってこと。
それを当の本人である志麻に気付かされるとは。
少しの沈黙の後、目の前の影が動いた。と思ったら、次の瞬間には、彼の制服が視界いっぱいに広がった。
背中には、すっかり逞しくなった彼の腕が回されている。
抱き締められている、と気付いたら、かあっと顔が熱くなった。
住宅街だし人通りはないとはいえ、ここが道路のど真ん中だと思い出し、身じろぎする。
「ちょ、志麻…」
それでも、彼は離してくれなかった。
むしろ余計に腕に力を入れられて、幾分明るいトーンで彼が言った。
「最初っからそう言えれば、可愛えのに」
「ちょっと、」
少しディスられた気がしたので抗議しようとしたら、今度は少しトーンを落とした彼の声が返ってくる。
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しろ鮎(プロフ) - ちぇろさん» ちぇろさん！ご無沙汰してます、コメントありがとうございます〜！SWEET〜のお話は、私が原曲とても好きなので入れさせてもらいました。一応新作もちまちまと制作はしてますが相変わらずいつになるか分からないんで…また覗いてやってください。ありがとうございます！ (2021年4月25日 11時) (
レス) id: dffb4b3955 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇろ - 更新お疲れ様でした！遅ればせながら全部読ませていただきました、どのお話もすごく素敵でキュンキュンしました…！特に最後のお話はSWEET TASTE PRESENTの歌詞が所々に散りばめられていて、呼んでいてワクワクしました！また次の更新があれば楽しみにしてますね！ (2021年4月22日 20時) (レス) id: 40064b36ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろ鮎
| 作成日時：2021年2月14日 18時
