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「ハッピーハロウィーン!!」
「ハッピーハロウィン、ようこそー!」
あちこちから元気な声が聞こえて、自然とワクワクした気持ちになる。
10月も下旬の、とある休日。
私と、恋人のセンラさんは、とあるテーマパークに来ていた。
ちょうどハロウィンイベントの真っ最中。
パークのあちらこちらに、ジャック・オー・ランタンや可愛らしいオバケのフォトプロップスが置いてあって、若い女の子達や家族連れが楽しそうにその前で写真を撮っていた。
パーク中に溢れる楽しい雰囲気に、色々なところが気になってキョロキョロしていると、
隣でクスクス笑う声がする。
見上げると、センラさんが、可笑しくて仕方ないという風に口元に手を当てて(と言ってもマスクしてるからそんなことしなくても隠れてるんだけど)笑っていた。
「ふ、Aがこんなにはしゃいでんの、初めて見たかもしれんわ、」
「い、良いじゃない、楽しいんだもん…!」
言いながらも笑いを堪えきれない様子のセンラさんに、恥ずかしさも相まって不機嫌そうな態度を取ってしまう。
「別にええよ、A見てるだけで俺も楽しいし」
私の不機嫌そうな態度は全く気にせず、ニコニコと言うセンラさん。
そこで、改めて思い出す。
「本当に、良かったの?」
「何が?」
「センラさん、こういう所あまり好きじゃないでしょ?」
そこがずっと気掛かりだった。
今回は、「Aが本当に行きたい所に行こう?」と何度もセンラさんが言うものだから、今まで遠慮して提案したことのないテーマパークを選んだのだけど。
好きじゃない所へ連れてこられて、楽しくないだろうな…と、行く前から心配していたのだ。
「そんなこと気にせんでええの。Aが楽しんでくれるんなら何処でも行くわ」
イケメンな発言にときめいてしまった…のだけど、
「今の俺、カッコ良かったやろ!?」
すぐにそう言う彼に、ため息をついて見せる。
「…その発言がなければカッコ良かった…」
「なぁんでよ!?」
…まあ、そんな風に言いながらも、センラさんの顔はほんのり赤くて。
後半の言葉はきっと照れ隠しなんだろう、と、心の中で思っておくことにした。
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しろ鮎(プロフ) - 白雨さん» わー!白雨さーん!コメント下さってたんですね、返事がめちゃくちゃ遅くて申し訳ないです…ありがとうございます!ハロウィンにかこつけてイチャイチャしてるだけな感じですが(笑)、書いてて楽しかったです。次も今準備中なので(12月なのでアレです)良ければ〜! (2020年12月3日 22時) (レス) id: dffb4b3955 (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - 新作出してらしたんですね……!今回の短編集も四人の特色がよく出ていて愛らしさを感じる雰囲気でした!ハロウィンのお話を書かれるとは予想していなかったので新鮮な感じです(笑) やっぱりしろ鮎さんの書くお話大好きだなーと思いながら読ませて頂きました(*´艸`) (2020年11月24日 22時) (レス) id: f9e7441818 (このIDを非表示/違反報告)
しろ鮎(プロフ) - ちぇろさん» ちぇろさんご無沙汰してました、今作もお付き合いありがとうございました!一つのテーマを設けて作るの楽しかったので…またやろうかな?と思い始めてしまいました笑 またよろしくお願いしますー! (2020年10月30日 8時) (レス) id: dffb4b3955 (このIDを非表示/違反報告)
しろ鮎(プロフ) - リセットさん» 初コメありがとうございます、前作も読んで下さったんですね…嬉しいです!ときめきをお届けするのが私の作者としての目標なので、リセットさんにはお届けできたようで良かったです〜! (2020年10月30日 8時) (レス) id: dffb4b3955 (このIDを非表示/違反報告)
しろ鮎(プロフ) - せせ@れいとうるぅれっとさん» コメントありがとうございます、最後までお付き合い頂きありがとうございました〜!自己満足の小説なんですが、お楽しみ頂けて良かったです!またよろしくお願いします〜! (2020年10月30日 8時) (レス) id: dffb4b3955 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しろ鮎 | 作成日時:2020年10月11日 6時