18 ページ42
9月3日、大阪。
いよいよ今日からライブツアーが始まる。早いものは開始2時間前に会場入りしており、アップを始めている。ななこもまたスピナーを漕ぎながら音楽を流し、テンションと心拍数を上げていっていた。
EXILEとなり初めての大舞台。昨日は緊張と高揚感で寝られなかったが、体調は不思議なほど良い。
──EXILEに女とかやめてほしい
──あり得ない。今すぐ辞めろ
──何でEXILE?E-girlでいいじゃん。パフォーマンス下がったらななこのせい
──NAOTOがいるからって調子乗りすぎ
SNSやネットには彼女に対する批判がある。応援してくれる声や、好きだと言ってくれる声もある。ファンレターの中に混じっていたりもする。そういった声をすべて無くすのは難しいことだと十分に承知しているし、今までそういった声とずっと戦っていた。
AT「ななこ」
「ATSUSHIさん」
AT「準備は大丈夫?」
近付いて声をかけたATSUSHI。大丈夫、という言葉にはどれだけの意味が込められているのか、それをななこは敏感に感じ取っていた。
「批判もブーイングも慣れてます」
自然と注目が二人に集まるなか、彼女は平然と言ってのけた。それがまたATSUSHIには悲しくもある。心無い言葉に慣れてしまったこれまでの人生。
「そしてそれを黙らせる方法も知ってます」
くだらない一時の感情での雑音。
──うるせぇやつは全員ダンスで黙らせる
今までもそうしてきた。そしてこれからもそのスタンスは変わらない。嫌いだと言うやつ、目障りだと辞めろと言う、その全てを称賛に変えてみせる。そう決意した。
「私はもうEXILEのNANAKOだから」
251人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
shiro(プロフ) - 尼崎の雑草になりたいさん» はじめまして!コメントありがとうございます!そう言っていただけ嬉しいです!更新頑張ります! (2018年10月30日 1時) (レス) id: 8d46f4c2ff (このIDを非表示/違反報告)
尼崎の雑草になりたい(プロフ) - はじめまして!読みごたえがあってとても面白いです!更新楽しみにしてます(^^) (2018年10月29日 23時) (レス) id: c68b54dc70 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:shiro | 作成日時:2018年10月27日 17時