Bite me!!

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隆「もしもし」

ファイナリストになったっていう知らせを受けて、その夜電話をかけた。この合宿中、何にも連絡とってなかったから久しぶりに感じる。

隆「ファイナリストおめでとう。動画見たけど、良かったじゃん」
《すごく楽しかった。あんなに楽しいの今までで初めてで、私のダンスで誰かが笑顔になるなんて考えもしなかった》
隆「俺もあんな笑顔になってるななこちゃん初めて見たわ。直人さんも初めてだと思うし」
《隆二くんがきっかけを与えたくれたからだよ。隆二くんがいなかったら、きっと今も私は一人でどっかで踊ってる》
隆「うん」
《お礼は全部まとめて、最高の形で届けるから》
隆「おう、頑張れ！見てるから」
《うん、見てて》

電話越しで笑った顔が浮かんだ。もうななこちゃんは、何があっても孤独じゃない。ひとりぼっちのダンサーだったのはもう過去だ。合宿で得た仲間がいる。努力を見てくれたEXILEメンバーがいる。いつもななこちゃんのことを思ってる兄貴がいる。そして、俺もいる。

隆「じゃあ、明日に備えてとっとと寝なよ」
《寝るよ。隆二くんの声聞いてると眠くなるし》
隆「ははっ、なにそれどういう意味？」
《んー、なんか安心するから、じゃ、おやすみ》
隆「え、あ、ちょっ」

プツッと切られた通話。
思いがけない言葉に思わずドキッとした。いやでもあの感じ、ほんとにただそう思ってるだけって感じだった……うーん、何かもやもやする。

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