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「HIROさん!」
HI「おお、直人」
「おお、じゃなくて!どう言うことですか!?何でななこが!?」
HI「俺の推薦で一人合宿から加えるって始まる前から言ってただろ?」
「いや、ですから!何でそれがななこなんですか!?」

さっそく基礎練習だと準備にかかった参加者たち。ミーティングルームにはHIROとEXILEメンバーがおり、直人がすぐさまHIROに問い詰めた。

HI「なぁ、直人。ななこちゃんがずっとお前の名前を背負ってきたのは知ってるだろ」
「……それは」

分別のつき始めた小学生の頃にはもうEXILE NAOTOの妹という存在になっていたななこ。決して彼女が望んだわけでもない、兄の努力による輝きが、その後ろにいた彼女に陰を落としていた。

HI「想像でしかないけど、辛いこともあったはず。それなのに何でダンスをしてるんだと思う?ダンスをしていた方が名前を余計感じるのに」

ダンスをせずにもっと別のなにかをしていれば良かったのかもしれない。それなのに、周りに何を言われてもずっと躍り続けてきた訳が彼女にはあったのだ。

HI「年の離れた兄貴に見て欲しかったんじゃないかって思うんだ。ダンスをすることで、遠くにいるお前を感じてたんじゃないかって」

テレビ越しに見ていた兄の踊る姿、それを必死にテレビの前で真似をして踊っていた。離れて会えない兄にはそこでしか会えなかった。踊ることで兄妹だと感じていたのだ。

「…………」
HI「今ならまだ片岡直人として会ってこれるぞ」
「すいません、俺ちょっと行ってきます……!」

始まってしまえば片岡直人としてななこに接することは出来ない。まだ、スタートしてない今なら兄として声をかけられる。

「ななこ!」
「!」
「えーっと、その、驚いたけど!えっと」

スタッフに居場所を聞くともうトレーニングルームにおり、スタート時間まで柔軟をしていた。そこに声をかけるも、何て言ったら良い纏まらない。

「兎に角ななこなら出来るから!俺の妹、片岡直人の妹なら出来るから!ぜってぇ負けんなよ!」
「!!」

少し下にある瞳をまっすぐ見つめて言えば大きく開かれ、僅かに潤んだ。

「……ありがとう、なお兄ちゃん」
「!」

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shiro(プロフ) - 尼崎の雑草になりたいさん» はじめまして!コメントありがとうございます!そう言っていただけ嬉しいです!更新頑張ります! (2018年10月30日 1時) (レス) id: 8d46f4c2ff (このIDを非表示/違反報告)
尼崎の雑草になりたい(プロフ) - はじめまして!読みごたえがあってとても面白いです!更新楽しみにしてます(^^) (2018年10月29日 23時) (レス) id: c68b54dc70 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shiro | 作成日時:2018年10月27日 17時

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