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「……隆二くん、ここって………」
隆「ん?事務所〜」
そう言って隆二くんはどんどん歩いていく。あれから二日、怪我治るまでは帰れなくって、隆二くん家に泊まってる。兄には友達の家って伝えてるけど、まぁ隆二くんも友達だから間違ってはない。で、隆二くんに連れてこられたのはLDHの事務所だった。何で事務所、てかいたらどうすんの。
「隆二くん、あの」
隆「ななこちゃん、チャンス掴めよ」
「えっ」
目の前の扉をノックした隆二くん、返事がすぐ返ってきて失礼しますって入ってくので、慌ててついていく。
「──!!」
HI「こんにちはななこちゃん」
目の前にいるのは紛れもなくHIROさんだった。ハウスはHIROさんのソロのとこをひたすら見た覚えがある。
隆「挨拶して」
「!片岡ななこです!」
隆二くんに肘でつつかれそう言われハッとして慌てて名前を言い頭を下げると、HIROさんは立ってるのもなんだからとソファーに座るよう勧めてくれた。
HI「で、珍しく隆二からのお願いってなに?」
隆「ななこちゃんに、今度のEXILEのオーディションに参加するチャンスを与えてください」
「!」
頭を下げた隆二くん、思いがけない言葉に固まりながら隆二くんを見た。数秒下げた頭を戻したら隆二くんは真っ直ぐHIROさんを見たまま、また口を開いた。
隆「俺が出来るのはここまで。後は自力で掴め」
「──っ!」
隆二くんは、隆二くんはなんでこんな私なんかに、こんなことまでしてくれるの……!?
「っ……!HIROさん!お願いします!」
HI「……いくらNAOTOの妹で、隆二の頼みだって言われても」
「私は!!」
HI「!」
「私は、片岡ななこです。EXILE NAOTOの妹っていう名前じゃない、私の名前はちゃんとある。でも、誰も呼んでくれない……」
HI「……確かにNAOTOの名前はでかい。そこについて回るEXILE、三代目、LDHの名前もまた然別。そして、君がこの世界に飛び込もうというなら、その名前の重さをより感じることになる。誰よりも先の見えない茨の道を行くことになるかもしれない」
「重さも、傷つけられることも、全部ダンスで黙らしてきた」
HI「そうか……それなら話すより、ダンサーならダンスで語ってもらおうか」
失礼で礼儀もなってないことは十分分かる。それでもHIROさんは私を一人のダンサーとして見ようとしてくれてる。レッスン室にHIROさん隆二さんの後をついて行く。目指す背中は、ここにある。
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shiro(プロフ) - 尼崎の雑草になりたいさん» はじめまして!コメントありがとうございます!そう言っていただけ嬉しいです!更新頑張ります! (2018年10月30日 1時) (レス) id: 8d46f4c2ff (このIDを非表示/違反報告)
尼崎の雑草になりたい(プロフ) - はじめまして!読みごたえがあってとても面白いです!更新楽しみにしてます(^^) (2018年10月29日 23時) (レス) id: c68b54dc70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:shiro | 作成日時:2018年10月27日 17時