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161日目勧誘NG ページ8

貴「フフッ。」

僕は千里眼で火燐の位置を確認すると、片目を開けて扉を見据えた。

すると、

火「ニャァ。」

扉の外から火燐の鳴き声が聞こえた。

―来たわね。

僕はうっすらと微笑むと、

貴「誰だい?そこにいるのは。」

全てを見透かしたように、外にいる兎に向かってそう言った。


すると、

威「君が吉原の女神かい?」

外から、神威の感情の読めない声が聞こえた。

貴「…クス。そうね、ここでは僕はそう呼ばれているわ。」

僕はそういうと、扉に向けた人差し指をクイッとおった。

ギィィッ

重い扉はゆっくりと開き、僕のいる部屋に外の光が差し込んだ。

威「A。」

逆光で見えない神威の顔を僕は見つめた。

貴「残念だけれど。僕は客は取らないのよ。」

僕は落ち着いた声でそう言った。

威「知ってるよ。」

神威はそういうと僕の目の前に座って、僕を見据えてきた。

―…

貴「フゥー。」

僕は口から煙を吐き出すと、神威を見つめた。

貴「…じゃあ、吉原の視察ってところかしら?」

威「うん。俺もそのつもりでいたんだけどネ。」

僕は煙管を噛むと、外の景色に目を移した。

―嫌な予感。

貴「そのつもりでいた…という事は、今はもう違うのね。」

僕が薄く微笑みながらそう言うと、神威はにっこりと微笑んで頷いた。

威「A。俺と一緒に来てよ。」

貴「…」

僕は着ていた藤色の羽織りものを脱いで、神威のことを見た。

貴「…一緒に行って、僕に何のメリットがあるのかしら。」

威「うーん。毎日俺とセッ「メリットがないようなら、僕が君と一緒にいても意味がないわ。」…チッ。」

神威は小さく舌打ちをすると、番傘を僕に向けてきた。

威「一緒に来てよ。A。」

部屋の中が煙で充満している中、僕はクスリと微笑んだ。

貴「一緒に…といったけれど、それはどれくらいの期間なのかしら?」

僕の問いに、神威は少しだけ眉を寄せた。

威「それは…どういう意味?」

貴「そのまんまよ。貴方が言った期間だけ、僕は貴方のそばにいる。それ以上でも、それ以下でもない。」







長い沈黙が流れる。









威「ずっと。ずっと俺のそばにいてよ。」


神威が沈黙を破った。

僕は少しだけ片目を開け、神威を見る。

貴「それは…本心?」

威「本心だよ。Aは俺の子を産むにふさわしい女なんだから。」

―…。

貴「そう…。」

僕はゆっくりと立ち上がり、神威に歩みよった。

そして、小指を差し出す。

威「なに?これ。」

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へたやん(プロフ) - リルさん» コメントありがとうございます!創也クンも中々ですよね、初めは結構キャラが定まってなかったんですけど。神威さんは本当に格好いいですよね!!これからも頑張らせていただきます。 (2015年6月10日 19時) (レス) id: dc6b786968 (このIDを非表示/違反報告)
リル - 神威くんかっこいいし、創也くんも好きです!!面白くて、この作品大好きです!!!頑張ってください(≧ω≦) (2015年6月9日 18時) (レス) id: 1a47901f10 (このIDを非表示/違反報告)
へたやん(プロフ) - 修華さん» コメント有難うございます!訂正、誠に有難うございます!すぐに修正させていただきました。本当にありがたいです。是非これからも、よろしくお願いいたします! (2015年5月14日 20時) (レス) id: 828e618828 (このIDを非表示/違反報告)
修華 - いきなりすいません!165日目新選組ではなく、165日目真選組だと思います (2015年5月13日 20時) (レス) id: 81f9e3415f (このIDを非表示/違反報告)
へたやん(プロフ) - 迦楼羅@乙夜さん» コメント有難うございます!面白いですか?!有難うございます。…そして来ました。この質問。ズバリ、お答えしましょう。夢主のバストは、……なんと、なんと、HとIの中間くら((殴 (2015年5月10日 9時) (レス) id: 828e618828 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:へたやん x他1人 | 作成日時:2015年5月5日 21時

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