192日逃げるが勝ち ページ38
威「···帰ろうか、A^言^」
貴「···」
グイッ
神威は有無を言わせぬ真っ黒スマイルで僕の腕をつかむと、そのまま僕の体を立たせた。
威「うちの連れがお世話になったようだね。」
総「···」
威「威勢がいいのは良いことだけど、次はないからね。」
神威はそう言い残すと、そのまま僕を引っ張るようにして店を出ていった。
ドンッ
貴「神威ッ。」
威「···」
神威は大勢の人混みの中、僕の腕を力強く握ったまま突き進んでいた。
ドンッ
貴「っ···」
僕は神威に連れられているため、先程から大勢の人とぶつかっていた。
それで抗議の声をあげているのだが、神威はそれに気づいているのか無視しているのか、全く振り返ろうとはしない。
ドンッ
貴「ッ···」
―下駄じゃ痛いな。
僕がそう思ったとき、
「おいてめぇ、ぶつかっといて謝罪のひとつもねぇのか。あぁ?」
先程ぶつかった男が僕に小刀を向けてそう言ってきた。
貴「···すまない。」
僕はそう言って立ち去ろうとしたとき、
グサッ
貴「っ!?」
ダンッ
グリッ
貴「いっ···」
いきなり足に激痛が走り、僕は一瞬だけ顔を歪めた。
―刺された。コンチクショー。
男は僕の顔を見て満足そうな顔をすると、何事もなかったかのようにどこかへといってしまった。
貴「···」
―痛い。
僕はまた神威に手を引かれるがまま、歩き出した。
神威は全く気づいていないのか、歩調を緩める様子はなく、寧ろ早まっていた。
僕の足からは止めどなく血が溢れ、道に一筋の赤い線を残していた。
―つーか普通ちょっとぶつかっただけであんなもんで人の足をぐちゃぐちゃにするかなァ。
僕がそう考えていると、いつの間にか春雨の船に戻ってきていた。
威「···」
神威は無言で僕の方を見たかと思うと、そのまま船の中へと入っていってしまった。
貴「はぁ。」
―この足は治すのに当分時間がかかりそうだな。
僕は小さくため息をつくと、真っ赤に手形がついた腕を擦りながら船内へと入っていった。
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へたやん(プロフ) - リルさん» コメントありがとうございます!創也クンも中々ですよね、初めは結構キャラが定まってなかったんですけど。神威さんは本当に格好いいですよね!!これからも頑張らせていただきます。 (2015年6月10日 19時) (レス) id: dc6b786968 (このIDを非表示/違反報告)
リル - 神威くんかっこいいし、創也くんも好きです!!面白くて、この作品大好きです!!!頑張ってください(≧ω≦) (2015年6月9日 18時) (レス) id: 1a47901f10 (このIDを非表示/違反報告)
へたやん(プロフ) - 修華さん» コメント有難うございます!訂正、誠に有難うございます!すぐに修正させていただきました。本当にありがたいです。是非これからも、よろしくお願いいたします! (2015年5月14日 20時) (レス) id: 828e618828 (このIDを非表示/違反報告)
修華 - いきなりすいません!165日目新選組ではなく、165日目真選組だと思います (2015年5月13日 20時) (レス) id: 81f9e3415f (このIDを非表示/違反報告)
へたやん(プロフ) - 迦楼羅@乙夜さん» コメント有難うございます!面白いですか?!有難うございます。…そして来ました。この質問。ズバリ、お答えしましょう。夢主のバストは、……なんと、なんと、HとIの中間くら((殴 (2015年5月10日 9時) (レス) id: 828e618828 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:へたやん x他1人 | 作成日時:2015年5月5日 21時