【銀魂】月と君を永遠に【神威】5

175日目運命連歌2 ページ22

紫「嫌だ…まだ死にたくない。」

紫苑はこういう事になった自分を悔やんで悔やんで、ただひたすらに悔やんだ。

そして、それと同時に

紫「神なんて…ほんとにいるわけないじゃないッ…」

自分がこんな目になった元凶を恨んだ。

紫「存在しないモノの存在を信じて、すがりよって…私は違うといったのに…なんて愚かな人たちなの!」

だがその時、


紫苑は見てしまった。



目の前で、




明らかに宇宙上のモノとは違った光を放った人影が下りてきたのを。





紫「誰よ…貴方。」



紫苑は人影を睨み付けた。



古来より、神に触れた者、神と会話を交わした者は神と同等の存在になる。



紫苑は、この言い伝えを知らなかった。






『貴様には、関係のないこと。』



影は、男でも、女でもない。若くも、老けてもいない声でそういうと、紫苑に向かってを伸ばした。


紫「っ!?」

紫苑は直感で判断した。


―ヤバい。と。


そして、その場から逃げだした。ただひたすらに、自分の意思など関係なく、影から逃げるように。








どれくらいの時間がたったのかわからない。


どれくらいの人が生き死にを繰り返したのかわからない。




紫苑は、ずっと身を隠していた。だれも気づかない場所で。ただひたすらに。





『お前が定めを捨てて逃げるというのなら、お前が愛した、大切な者たちは皆苦しむことになる。』

紫苑が、逃げるときに背中で聞いた言葉。



でも、その時の紫苑には感情がなくなってしまっていた。



大切な人なんて、いない。


紫苑は心の中でとてつもない孤独感に襲われていた。







その時にたまたま出会ったのが、






―同じ穴のムジナ




まさにその言葉がぴったりだった、僕。



薄暗い牢屋に閉じ込められた、哀れな小鳥。





紫苑は、一目で気に入ってしまった。



興味を持ってしまった。




同じ環境で育てられた、いや、もしくはそれ以上の苦しい環境を強いられた僕に。






そして、毎日その子に会いに行くようになった。


それが、その子の運命を変えてしまうとも知らずに―――。









貴「これが、僕と紫苑の、いや、正確には紫苑の過去。僕を愛してくれた、大切にしてくれた人。僕が命を懸けてでも守りたかった人。」


僕は貼り付けた笑顔で神威を見た。

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