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693日目4話 ページ5
暫く御婆様と話していると、突然入口の布が捲り上げられ、真っ黒な黒髪と日に焼けた肌が姿をあらわす。
「御婆様。血止薬はあるか？」
所々から血を流し、片腕を押さえた彼女は、私の存在に気付くなり目を見開いて驚いた表情をしたかと思えば、そのままあっという間にいなくなってしまった。
「…私、嫌われてるんでしょうかね？」
苦笑いしながらそう聞けば、御婆様は「なに、あの子は誰に対してもそうだよ…。忌み子として育ったあの子は、人を信じることができない。自分を大切にすることも知らないから、いつもあんな風に怪我をしてきては…ここに来る。生傷の絶えない子じゃ。」
御婆様はそういうと、棚から白い小包を取り出す。
「…もしよろしければ、それを彼女に届けてきましょうか？」
私がそう言うと、御婆様は少し申し訳なさそうに肩を揺らして、「あぁ。頼んだよ…。」としわくちゃな顔を歪めた。
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作者名：へたやん | 作成日時：2017年7月3日 19時
