115日目春雨with鬼兵隊 ページ7
神威視点
今俺は、鬼兵隊の船に来ていた。会議の帰りに、少しよってけと誘われたのだ。
高「今日は随分と綺麗な満月だなァ。」
高杉は煙管を持ちながら、窓のふちに腰かけていた。
威「Aがいなくなる前も、こんな月だった。」
Aという言葉が出て、その場が静まり返る。
高「今頃。この月でも拝んでんじゃねぇか?」
威「生きていればの話だけどね。」
俺は目を開いて高杉を見据えた。
Aが俺の前から姿を消した後、俺は血眼になってAの行方、情報を探った。
…まぁ、血眼になったのは阿伏兎なんだが。
春雨の情報網は広い。その情報網に一つも引っかかることなくこの宇宙を自由に行き来できるのは、ほぼ不可能といってもいい。
Aはその情報網に、一つも引っかからなかった。
今日、俺が今この鬼兵隊にいるのは、Aの情報のやり取りをするためでもあった。
本当なら今すぐにでも帰ってAの行方を捜索したいのだが、会議の途中、阿伏兎が寝不足で倒れてしまった。
―俺はそこまで無理さしてるわけじゃないんだけどなぁ。弱いね阿伏兎は。
俺がそんなことを考えていると、甲板の方から
ドゴォンッ
船を揺らすほどの衝撃が響いた。
高「ククッ、なんだぁ?」
威「侵入者かナ。」
俺は立ち上がり甲板へ行こうとする高杉を横目に、窓から飛び出した。
―最近、ずっとイライラしててね。俺を邪魔する輩なら、殺すヨ。
だが、甲板にいた人物は、俺の予想をはるかに超えた人物だった。
貴「久しぶりね。神威。」
今、俺の目の前に立っている奴は、俺を見て、ニコリと微笑んだ。
威「…A。」
俺がAと呼んだ奴は、もう今までのAじゃなくなっていた。
貴「さぁ、神威。私と勝負しましょう。どれくらい強くなったか、私に見せて頂戴。」
Aの鈴のような透き通った声が、その場に響く。
高「こりゃぁ…。噂をすればってやつか?」
高杉は低い声でクククッと笑い、煙管をかんだ。
Aの顔は番傘で隠れていて見えないが、昔より美しくなったことは確かだった。
―体つきがいやらしくなったなぁ。
俺は久しぶりの再会に感動しながら、にっこりと笑顔を向ける。
威「いいよ。」
その瞬間、俺はAめがけて跳んだ。
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へたやん(プロフ) - 修華さん» コメント有難うございます。グロ系は大丈夫な方ですか。それはよかったです。(書いている私はだめな方なんですけど…)神威さんはちょっと純粋過ぎじゃないか?と、時々思う事がありますが、まぁ大丈夫だと信じています。これからも頑張らせていただきます。 (2015年5月6日 18時) (レス) id: 828e618828 (このIDを非表示/違反報告)
修華 - グロ系は全然平気ですのでお気になさらず^^ 神威の純粋さがね…もうですね…涙腺がぁぁぁぁ… 毎日楽しみに見てるんで頑張って下さい((´∀`)) (2015年5月5日 0時) (レス) id: 81f9e3415f (このIDを非表示/違反報告)
へたやん(プロフ) - 修華さん» コメント有難うございます!ちょっとグロい表現が多かったですね。スミマセン。毎日更新、頑張ります! (2015年5月4日 8時) (レス) id: 828e618828 (このIDを非表示/違反報告)
修華 - 救世主神威に涙ですっ!毎日更新お疲れ様です (2015年5月3日 23時) (レス) id: 81f9e3415f (このIDを非表示/違反報告)
へたやん(プロフ) - 琥珀さん» コメント有難うございます!頑張らせていただきます! (2015年5月3日 20時) (レス) id: 828e618828 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:へたやん | 作成日時:2015年4月11日 16時