133日目暁星 ページ25
貴「…本当かい?神威。」
僕は目の前で朝食をとっている神威を見た。
威「うん。次の星は暁星だよ。もしかしてAもその星に用があるの?」
神威は目の前に置かれたどんぶりを次々と空にしながら僕を見た。
―どうする。
僕は少し間を置くと、
貴「ああ。実はその星に行こうと思っていてね。助かったよ。」
にっこりと微笑んでそう言った。
―神威には、見られたくないな。
威「ふーん。」
神威はつまらなそうに最後のどんぶりを空にすると、僕の手を取って自室へと戻った。
貴「神威…。なんでここにいるんだい?」
僕と神威は今、浴場にいた。
威「なんでって、お風呂場でヤろうと「神威。殺してあげるわ。丁寧に。」…チッ。」
僕は神威にお姫様抱っこされている状態で、神威に笑顔で微笑んだ。
貴「降ろせ。^^」
威「いやだよ。^^」
その瞬間、神威の頬を赤い血が伝った。
僕は一瞬のすきをついて軽やかに神威の腕の中から抜けた。
―猫って便利。
僕がそんなことを考えながら浴場から出ようとしたその時、
ブシャァァ
貴「ふにゃぁっ?!」
後ろからいきなり水をかけられ、僕はその場に座り込んだ。
威「あはは。本当だったんだ。」
僕の視線の先には、シャワーを持ってケラケラと笑う神威の姿があった。
貴「…何よこれ。」
僕は薄々感づいていながら、神威に聞いた。
威「猫は水に弱いって言うじゃん。それが本当なのか確かめたくってさ。実験だよ。」
―僕は実験体というわけね。…昔を思い出すわ。
僕は目を覆っている濡れた前髪の隙間から神威を見上げ、薄く微笑んだ。
貴「ふふっ。結局、みんな同じものなのね。」
神威はその言葉の意味が分からず、
威「どういう意味?それ。」
普段の笑顔のまま聞いてきた。
貴「そのまんまの意味よ。神威。」
僕はにっこりと微笑んだまま立ち上がり、神威を見据えた。
貴「こうやって向かい合うと、昔を思い出すわ。」
威「昔?俺たちは昔あったことがあったかい?」
神威は不思議そうに首をかしげた。
―やっぱり、覚えていないわよね。
僕はクスリと微笑むと、
貴「何でもないわ。」
そういって浴場を出た。
数日後、猫耳は消えました☆←
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へたやん(プロフ) - 修華さん» コメント有難うございます。グロ系は大丈夫な方ですか。それはよかったです。(書いている私はだめな方なんですけど…)神威さんはちょっと純粋過ぎじゃないか?と、時々思う事がありますが、まぁ大丈夫だと信じています。これからも頑張らせていただきます。 (2015年5月6日 18時) (レス) id: 828e618828 (このIDを非表示/違反報告)
修華 - グロ系は全然平気ですのでお気になさらず^^ 神威の純粋さがね…もうですね…涙腺がぁぁぁぁ… 毎日楽しみに見てるんで頑張って下さい((´∀`)) (2015年5月5日 0時) (レス) id: 81f9e3415f (このIDを非表示/違反報告)
へたやん(プロフ) - 修華さん» コメント有難うございます!ちょっとグロい表現が多かったですね。スミマセン。毎日更新、頑張ります! (2015年5月4日 8時) (レス) id: 828e618828 (このIDを非表示/違反報告)
修華 - 救世主神威に涙ですっ!毎日更新お疲れ様です (2015年5月3日 23時) (レス) id: 81f9e3415f (このIDを非表示/違反報告)
へたやん(プロフ) - 琥珀さん» コメント有難うございます!頑張らせていただきます! (2015年5月3日 20時) (レス) id: 828e618828 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:へたやん | 作成日時:2015年4月11日 16時