132日目マイペース? ページ24
神威視点
今、俺の目の前には真っ白な尻尾をフリフリと揺らしているAがいる。
―絶対誘ってるよね。もう襲ってくださいって言ってるよね。
Aは俺の思っていることが分かったのかわからなかったのか、にっこりと貼り付けた笑顔を俺に向けると、
貴「僕に近づかないでくれるかい?今日はもう阿伏兎の部屋で寝るから。」
少し垂れた猫耳をピクピクと動かしてそう言った。
威「あんないろいろと危ないおじさんの所に居ちゃいけないよ。」
阿「いや。確かにこの年齢でピンク色の兎耳はおかしいと思うけど。おじさんが兎耳揺らしてるのはおかしいと思うけど。そこまで言わなくてもよくない?」
どこから現れたのか、阿伏兎が俺の部屋に入っていた。
貴「そうよバ神威。確かに見た目は何とも言えないけれどとてもかわいらしいわ。少なくともあなたよりは安全。」
威「Aまで阿伏兎の肩を持つのかい?殺しちゃうぞ。」
俺は黒い笑顔でAを見たが、Aは全く動じることなく
貴「貴方が僕を殺すだって?笑わせる。返り討ちにしてあげる。」
ニコニコと微笑んだまま俺の殺気を受け流した。
―Aといると、俺のペースが乱される。
そんなことを考えていると、
貴「神威。」
不意にAに名前を呼ばれ、俺は振り返った。
瞬間、
ドゴォンッ
俺のみぞおちにAの拳がクリティカルヒットした。
威「ぐっ…」
俺は苦痛に顔を歪め、その場に倒れた。
貴「という事で阿伏兎。今日はこちらで寝させてもらうわ。神威は気絶させたから大丈夫よ。一応手加減はしたから。」
俺の消えゆく視界に最後に映ったのは、にっこりと微笑むAの姿だった。
A視点
貴「久しぶりねぇ。」
僕はベットに横になる神威を見ながらそうつぶやいた。
僕はソファの上に上半身を起こして横たわっている。
貴「こうして一緒にいられるのも…あとどれくらいなのかしらね。」
僕の視界の隅では、白い尻尾がフルフルと揺れている。
―…もう少し。
バチッ
僕の手から一筋の光が出るとともに、青い光を放った蝶が現れた。
貴「暁星…」
―最後で最大の研究所。
僕自身。
生きて帰ってこれるかは分からない。
蝶はくるりと僕の周りを一周すると、壁をすり抜けるようにして外へと消えて行った。
クスクスクスクス
僕の笑い声が、静かな室内に響いた。
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へたやん(プロフ) - 修華さん» コメント有難うございます。グロ系は大丈夫な方ですか。それはよかったです。(書いている私はだめな方なんですけど…)神威さんはちょっと純粋過ぎじゃないか?と、時々思う事がありますが、まぁ大丈夫だと信じています。これからも頑張らせていただきます。 (2015年5月6日 18時) (レス) id: 828e618828 (このIDを非表示/違反報告)
修華 - グロ系は全然平気ですのでお気になさらず^^ 神威の純粋さがね…もうですね…涙腺がぁぁぁぁ… 毎日楽しみに見てるんで頑張って下さい((´∀`)) (2015年5月5日 0時) (レス) id: 81f9e3415f (このIDを非表示/違反報告)
へたやん(プロフ) - 修華さん» コメント有難うございます!ちょっとグロい表現が多かったですね。スミマセン。毎日更新、頑張ります! (2015年5月4日 8時) (レス) id: 828e618828 (このIDを非表示/違反報告)
修華 - 救世主神威に涙ですっ!毎日更新お疲れ様です (2015年5月3日 23時) (レス) id: 81f9e3415f (このIDを非表示/違反報告)
へたやん(プロフ) - 琥珀さん» コメント有難うございます!頑張らせていただきます! (2015年5月3日 20時) (レス) id: 828e618828 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:へたやん | 作成日時:2015年4月11日 16時