【銀魂】月と君を永遠に【神威】14

612日目？…いや。その9 ページ24

いつの間にか負けてた。
なんて、恥ずかしい言い訳が言える訳がない。
Aはニコニコと笑いながらどこかをじっと見ているし。
ついさっきまではもっと暗い表情をしていたのに…今は出会った時のような表情の読めない笑顔になっている。
まぁ確かに、こっちの方がイジメ甲斐があっゲフンゲフン。
「A…。何考えてるの？」
俺がそう聞くと、Aはニコニコと微笑んだまま「神威のこと。」と答える。
さっきからどこか見てると思ったが、俺のことを見ていたのか。
俺はそう納得しつつ、Aの頬に手をやる。
「…？」
Aは小首を傾げて微笑む。
「神威は、何を考えているの？」
Aの問いに、俺は迷わず「Aのこと。」と答える。
Aは相変わらずの表情で、「…ありがとう。」というが、何故礼を言うのかがわからなかった。

ーAは時々、母親に似ている。
そう思う自分がいる一方で、
ー全く似ていない。
と思う自分もいる。

「ねぇ。」
俺が声をかければ、Aはゆっくりと顔を上げる。

「Aはさ。俺のために死ねる？」

答えは分かりきってる。そう思っていたのに…。

「いいえ。死ねないよ。」

Aは相変わらずの笑顔…ではなく、真っ紅な目を開いてこう続けた。
「だって私は…不老不死だから。」

ーやっぱりAは、母親に似ていない。

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