救えない 黄緑 ページ44
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zm「お、おれ、は…だいじょうぶ。Aの血が付いただけやから…」
全速力で走ったのと、Aが命の危険に晒されているということに意識が朦朧とする。
sn「ならええけど、何か体に異常が出たらすぐに言うんやで。…次はAちゃんやな。何があったんかは手当が終わってから聞くから」
そう言って手を消毒したペ神が神妙な顔つきでAの服を捲りかけた。
俺は…見るか見ないか一瞬だけ迷ったが、傷の状態を知りたかったため、見ることにした。
そして。
sn「っ…」
zm「ッ…!!」
息を、飲み込む。
彼女の腹は無数の切り傷や痣、火傷で埋め尽くされていたからだ。
痛々しいなんてレベルじゃない。俺とペ神が目を背けるほどの惨さ。
zm「くッ………!!!」
奥歯を噛み締めて、拳を握り締めて怒りを抑える。
あのクズ共…!!よくも、よくもAを…!!ぐちゃぐちゃに殺してやる…!!!!
zm「フーッ…フーッ…」
sn「ゾム」
ペ神に名前を呼ばれ、我に返る。
sn「拳を強く握りすぎや。血、出とるで」
zm「、あ…」
見ると、手の平が血だらけになっていた。爪が食い込んだのだろう。
sn「…終わるまで、ここから離れてくれへん？これ以上ゾムにAちゃんの体を見せたらいろいろと危ないから」
わずかにジンジンと痛む手の平をぼうっと見ていると、ペ神は視線をAに向けたまま小さく呟いた。
ペ神から少量の殺気が溢れていたが、それは俺に向けられたものではなく、おそらくAを痛めつけた奴らに対してのもの。
俺は大人しくその場から離れた。
ペ神が先程まで座っていた椅子に腰掛けて、Aの手当が終わるのを待った。
****
しばらくして、ペ神が戻ってきた。
zm「…あ、終わった…？」
sn「うん、終わった。Aちゃんはもう大丈夫やで」
何処か衰弱しているような表情を浮かべるペ神だったが、その言葉を聞いて心の底から安心した。
よかった、Aは無事だ。
zm「はぁー…ほんまによかったぁ…」
気付かないうちに緊張していたのか、無事だと聞いて一気に全身の力が抜け、椅子に倒れ込むようにして座る。
もう、本当に…。Aがいなくなったら、俺は…。
sn「…安心してるとこ、悪いんやけど…ゾム。何があったか話してくれへん？ちょっと気になることがあるんよ」
椅子を持ってきて俺の向かいに座ったペ神は、いつにも増して真剣な表情だった。俺は、さっきあったことをペ神に話した。
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名月(プロフ) - ゆきちさん» ありがとうございます！励みになります！ (2020年4月12日 20時) (
レス) id: f9f0c292b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきち(プロフ) - 色んな視点での情景がとても面白いです！お気に入り追加させてもらいました！ (2020年4月9日 12時) (レス) id: 1d6534994e (このIDを非表示/違反報告)
名月 - ねむるさん» あ、どもども!!そうですね、女主っすよ!!これから更新していきますんで!! (2020年2月4日 18時) (レス) id: 4c76c89200 (このIDを非表示/違反報告)
ねむる(プロフ) - ふーん お気に入り追加していくぅ！！！一応確認だけど女主でおk...？()プロローグから好み射抜いてますわぁ......更新楽しみにしてます！！誰かは察してくれ！！！！ (2020年2月4日 18時) (レス) id: f070b83cbf (このIDを非表示/違反報告)
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