救えない 黄緑 ページ40
zmside
今日の分の書類を終えた俺はダクトを通って書記長室へ向かう。
普通に廊下を歩くよりも早く移動できるし、何よりアーニャと接触する確率が非常に低いからだ。まぁ、時々あいつは俺の行き先である場所にいることがあるから、全くないというわけではないが。
zm「トントーン、書類終わっt……」
ダクトから少し顔を出して書類を片付けているであろうトントンに話し掛けるが目の前の光景を見てそんな言葉も途中で途切れた。だ、だって…
zm「な、何しとんの、シンマと大先生…」
床にぶっ倒れて小刻みに震えている2人の姿があったから。
tn「ん？ゾムか。いやな、粛清したら倒れたんよ」
zm「ﾌﾞﾙﾌﾞﾙﾌﾞﾙ」
トントンが本当に不思議そうに言うもんだから恐怖でしかない。そもそもどうやったらこんな倒れ方すんだよ。
とりあえずダクトから降りてトントンの机に書類を提出し、俺は訓練場へ向かった。
道中、妙にご機嫌なアーニャと出くわす。
an「あっ、ゾムく〜ん！」
心の中で舌打ち。
…ここだけの話だが、俺はアーニャが嫌いだ。
他のメンバーは好いているらしいが、…何かこう…生理的に無理なんよな、アーニャ。
an「ねぇ、ゾム君。今から何処行くのぉ？私もついて行っていい？」
いかにも練習したかのような首の傾げ方をするアーニャに虫唾が走る。気持ち悪い。
それを口に出さないように、顔に出さないように細心の注意を払いながらこいつの質問に答える。
zm「訓練場」
そう簡素に言えば、サッとアーニャの顔色が変わるのがわかった。…何か、隠している？
an「あ、あの、ゾム君…今は兵士達が訓練してるからぁ…邪魔しない方が…」
zm「…何で？俺はそいつらに戦闘訓練せなあかんのやけど」
新人のくせに俺を君付けしやがって。馴れ馴れしく接してきやがって。どうせならAがよかったわ。あーイライラする。殺したい。
腹の底からフツフツと煮えくり返る怒りを、必死に抑える。堪えろ、俺。こんな奴にいちいちかまう暇があるならAとこれからどう接していくかを考えることに時間使え。
an「いや…その…」
zm「んじゃ、行くから」
アーニャに見向きもせず、俺は今度こそ訓練場に向かった。
その時。
『うっせぇクソクリーパー!!こっち来んじゃねぇ!!』
声が、蘇った。
大好きな、彼女の声だ。
唇を噛み締めて、走りながら昔の記憶を無理矢理追い出した。
もう、あの頃には戻れないのだろうか。
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名月(プロフ) - ゆきちさん» ありがとうございます！励みになります！ (2020年4月12日 20時) (
レス) id: f9f0c292b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきち(プロフ) - 色んな視点での情景がとても面白いです！お気に入り追加させてもらいました！ (2020年4月9日 12時) (レス) id: 1d6534994e (このIDを非表示/違反報告)
名月 - ねむるさん» あ、どもども!!そうですね、女主っすよ!!これから更新していきますんで!! (2020年2月4日 18時) (レス) id: 4c76c89200 (このIDを非表示/違反報告)
ねむる(プロフ) - ふーん お気に入り追加していくぅ！！！一応確認だけど女主でおk...？()プロローグから好み射抜いてますわぁ......更新楽しみにしてます！！誰かは察してくれ！！！！ (2020年2月4日 18時) (レス) id: f070b83cbf (このIDを非表示/違反報告)
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