曇り ページ37
Aside
訓練場まで行くのには、そう時間は掛からなかった。
呼吸を整えてから、扉を開ける。
瞬間、突き刺さる視線。
兵士「また来たぞ、出来損ないが…」
兵士「本っ当…何であんな奴が幹部なんだか」
兵士「俺達にも
ここで訓練していた兵士達が動きを止め、ひそひそと話し出す。
それを無理矢理無視して中に入った。
辺りを見回してアーニャを探すが…あれ、いない。
おかしいな…いつもならここに…
「！！」
命の危険を感じ、その場で腰を低くする。
続いて頭上からヒュンッと風が切れる音。身を丸くして前へ転がり、相手と距離を取る。
起き上がって初めて、相手が誰か認識した。
「…アーニャ」
an「はぁ〜い、Aちゃん♡」
ニヤニヤと笑いながら、愛用のナイフをこちらに向けるアーニャがそこにいた。
ーーーーーーーーーー
「うぐッ!!」
腹を蹴られ、壁まで吹っ飛ぶ。
けほっ、と口から血が出た。
起き上がろうと腕に力を込めるも、そこを蹴られる。バランスを崩し、再び床の上へ。
「ッぁ゛…!!」
手の平を踏まれ、嫌な音が鳴る。
痛い。叫びたい。
涙で視界が霞む。
俺の手の平を踏んでいるのは、俺の腕を蹴ったのは、俺の腹を蹴り上げたのは、
an「ッ…!!なんでッ、お前ばっかり…!!」
アーニャだ。
人には、表と裏がある。
普段は見せない一面を、ある条件を満たすことでその隠れた人格が露わになる。
アーニャの場合、俺と彼女以外の幹部がいない時だ。
an「ほんとッ」
ガンッ
an「目障りッ」
ガンッ
an「クソ女ッ」
ガンッ
an「なんでグル君はッ」
ガンッ
an「お前をこの国から追放しないのよッ!!」
バキッ
「ガハッ……!!」
肋が、折れた。
口から大量の血が吐き出される。
兵士「ハハハハハハハッ」
兵士「ざまぁねぇなｗ」
兵士「こんなのが幹部なのかよｗ」
ここにいる兵士達は皆、俺の無様な姿に大笑いする。
誰も俺を可哀想だなんて思う人はいない。
誰も俺を助けようとする人はいない。
皆、俺のことが嫌いだから。
俺なんか消えればいいと思っているから。
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名月(プロフ) - ゆきちさん» ありがとうございます！励みになります！ (2020年4月12日 20時) (
レス) id: f9f0c292b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきち(プロフ) - 色んな視点での情景がとても面白いです！お気に入り追加させてもらいました！ (2020年4月9日 12時) (レス) id: 1d6534994e (このIDを非表示/違反報告)
名月 - ねむるさん» あ、どもども!!そうですね、女主っすよ!!これから更新していきますんで!! (2020年2月4日 18時) (レス) id: 4c76c89200 (このIDを非表示/違反報告)
ねむる(プロフ) - ふーん お気に入り追加していくぅ！！！一応確認だけど女主でおk...？()プロローグから好み射抜いてますわぁ......更新楽しみにしてます！！誰かは察してくれ！！！！ (2020年2月4日 18時) (レス) id: f070b83cbf (このIDを非表示/違反報告)
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