素直になれない 黄色 ページ36
シャオロンside
部屋の中でAが来るのを今か今かと待ち続ける。
早く会いたい。大好きなAに会いたい。
好きな人の前では素直になれず、傷付けてしまうけど……見るくらい、いいじゃないか。
見ているだけで、癒やされるし元気が出るのだから。
8時50分。
まだAは来ない。
おかしい…いつもはもう来ているのに。何かあったのだろうか。
9時5分。
…遅い。いくら何でも遅すぎる。時間厳守のAがこんなに遅いということは…きっと何かあったに違いない!
前にも似たようなことがあり、疲労と睡眠不足が原因でAがキッチンに倒れていた。
あの時は、まじで地球が終わったんじゃないかってくらい焦った。Aが死ぬんじゃないかって焦って後悔して涙もたくさん溢れて…
もう二度とあんなことが起こらないようにトントンはAに回していた書類の量を減らして俺達で手分けしてやるようになったし、疲れさせないように任務も簡単なものを任せていた。
だから最近は目の下に隈を溜めることもなくなったのだが…油断はしちゃいけない。もしかしたらまたAが倒れているかもしれない!!
そう思った途端、いても立ってもいられなくて扉に縋りつく。
ドアノブを回して開けた時だ。
「あっ…」
sha「あ、」
綺麗な琥珀色の瞳を持つAが、目の前に立っていた。
彼女の片手にはオムライス、もう片方の手は扉をノックしようとしたのか少しだけ上げている。
ていうかめっちゃ近い。え、可愛い。Aめっちゃ可愛い。やばいやばいやばい。
心臓が激しく動き出し、顔に熱が溜まるのがわかる。そのせいで焦って口を開いてしまい、言葉が出てきた。
sha「お、おおお遅いねん!!どれだけ待ったと思ってるんや!!」
体が勝手に動いてAの手の中にあるオムライスをひったくる。そして扉を勢いよく閉めた。
そのまま扉に背を預け、ずるずるとその場に座り込む。
ドクッドクッドクッ
まだ心臓は大きな音を立てている。心臓を押さえていると、後ろの扉の向こうから小さく「すまない」という声が聞こえた。
Aの声だった。
sha「……」
また、自分はAを傷付けてしまったのだろうか。
申し訳なさが込み上げてきて、今まで激しく動いていた心臓がきゅうっ、と絞まる。
sha「…俺の方こそ…すまん」
この言葉が、Aの前で言えればいいのに。
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名月(プロフ) - ゆきちさん» ありがとうございます！励みになります！ (2020年4月12日 20時) (
レス) id: f9f0c292b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきち(プロフ) - 色んな視点での情景がとても面白いです！お気に入り追加させてもらいました！ (2020年4月9日 12時) (レス) id: 1d6534994e (このIDを非表示/違反報告)
名月 - ねむるさん» あ、どもども!!そうですね、女主っすよ!!これから更新していきますんで!! (2020年2月4日 18時) (レス) id: 4c76c89200 (このIDを非表示/違反報告)
ねむる(プロフ) - ふーん お気に入り追加していくぅ！！！一応確認だけど女主でおk...？()プロローグから好み射抜いてますわぁ......更新楽しみにしてます！！誰かは察してくれ！！！！ (2020年2月4日 18時) (レス) id: f070b83cbf (このIDを非表示/違反報告)
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