曇り ページ18
Aside
朝、目が覚める。
いつものように着替え、いつものように髪を結う。
鏡の前で確認して、部屋を出た。
さぁ、今日も頑張ろう。
朝の城は静寂に包まれており、俺が廊下を歩く音が良く響いていた。窓から微かに聞こえてくる鳥のさえずりは、聞いていて心が安らぐものだった。
時刻は午前5時30分。
俺の朝は、食堂へ向かって彼らの朝ご飯を作るところから始まる。
何故かは知らんが、ここの幹部達はご飯を作れないらしい。
俺が来る前まではメイド達が作っていたためらしいが…今はどうでもいいか。
傷だらけの手で食堂の扉を開ける。
さて、今日の朝ご飯は何にしようか。
サンドイッチ。とかどうだろう。
冷蔵庫の中に入っていたハムとレタス、トマト、卵、とんかつ、パンを見て決める。
早速、使う量だけを冷蔵庫から取り出し、朝食を作る準備を進めた。
とんかつをカリッとさせるためにトースターで二度焼きをする。レタスとトマトはひとらんが育ててくれたもので、それらを食べやすい大きさに切る。
卵はゆで卵にして殻を割り、フォークで身をすり潰してマヨネーズ、胡椒をそれぞれ入れて混ぜる。
あとはパンに今作ったものを挟めば完成だ。
ゆっくりと作業をしていた俺は、時計に目をやる。
「6時、か。そろそろ来る頃だな」
やかんに水を入れ、ガスコンロにかける。マグカップとコーヒーを用意していると、こちらに向かってくる足音が聞こえた。
一番最初に来たのはトントンだ。
「おはよう」
tn「……」
椅子に座ったトントンの前に、丁度できあがったコーヒーの入ったマグカップをコトリと置く。
「あんまり無理すんなよ」
tn「…うっさ」
殺意の込められた鋭い眼光で睨まれた。
胸が痛むのを感じながら、朝食の準備をしようとキッチンへ向かう。
またやってしまった。
皆が俺のこと嫌いだってわかっているのに。関わらないようにしようとしていたのに。体が、口が勝手に動いてしまう。
…すまない…トントン…。
しばらくトントンのコーヒーを啜る音と、俺が食器を用意する音が静かな食堂に鳴り響いていた。
不意に、
tn「…おい、」
トントンに、話し掛けられた。
冷たい声色に、心臓がドキリと大きく跳ねる。
どうしたのだろうか。いつもは俺に話し掛けるなんて無意味すぎること、トントンはしないはずだ。
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名月(プロフ) - ゆきちさん» ありがとうございます！励みになります！ (2020年4月12日 20時) (
レス) id: f9f0c292b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきち(プロフ) - 色んな視点での情景がとても面白いです！お気に入り追加させてもらいました！ (2020年4月9日 12時) (レス) id: 1d6534994e (このIDを非表示/違反報告)
名月 - ねむるさん» あ、どもども!!そうですね、女主っすよ!!これから更新していきますんで!! (2020年2月4日 18時) (レス) id: 4c76c89200 (このIDを非表示/違反報告)
ねむる(プロフ) - ふーん お気に入り追加していくぅ！！！一応確認だけど女主でおk...？()プロローグから好み射抜いてますわぁ......更新楽しみにしてます！！誰かは察してくれ！！！！ (2020年2月4日 18時) (レス) id: f070b83cbf (このIDを非表示/違反報告)
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