【鬼滅の刃】オタク、刀を振るう。【男主】

オタク、向かう。 ページ34

「体は大丈夫ですか？まだ全快していないのに、無理矢理連れ出してすみません....」

「いえいえ全然大丈夫ですよ....！」


ひょっとこの面の男、鉄穴森さんは少し申し訳なさそうに私の顔を覗く。




........やっぱりひょっとこの面って近くで見たらちょっと怖い。





あれから私の体の無事を確認した鉄穴森さんは、この里の長に会わせたいと言ってきた。


どうやら私を川から引き上げるのに、村の人総出でかかってくれたらしく、無事が確認できたら挨拶に来い、と言われていたらしい。


私はもちろん断ることもなく、二つ返事で了承した。

体も、少し痛む程度で全然生活できる程度だし。





というか、鉄穴森さんと初めて会ったときは、ひょっとこの面に驚いて考えつきもしなかったけどさ！


改めて考えると、私が流れ着いたこの里って、もしかしなくても........





「この里は刀鍛冶の里なんです。里の皆、この面をつけているので驚いたでしょう？」




やっぱりねーーーー！！！

だよねーーーーーーーー！！！！




ていうか、ていうか！鉄穴森さんも確か伊之助の刀を打ってくれた人だよね！！そうだ！！そうだわ！！！




思わぬ形で、思わぬ出会いを果たしてしまい、興奮の前に驚きが先走っちゃうな....。





「皆心配していましたよ、貴方のこと。ボロボロの子供が川から流れてくるんですから！」


「騒がせてしまい申し訳ないです....」


「いえいえ。貴方が助かって良かった、皆その気持ちだけです。」






私より少し前を歩く鉄穴森さんは、ゆったりとした歩調で歩く。

子供の私がついて行ける速さで。




そういう大人の優しさを、酷く久しぶりに感じた気がした。

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