あの・・・レーザー拾っちゃいました

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「(どんだけ金持ちなんだろ)」

 

男でありながら空しくなったが

 

今は仕方ないと思って素直に受け取る

 

「(まぁ 金が入ったら返せばいいか)」

 

「どーも

　で？自分が買い物してる間

Aちゃんは何するわけ？」

 

『私は・・・』

 

バイクにまたがったままの彼女は

 

何処か遠くを眺めた

 

その表情は

 

悲しそうで

 

消えてなくなりそうで

 

咄嗟だった

 

『え・・・貴利矢さん？』

 

「君は 1 人じゃない」

 

『何ですか？いきなり』

 

急に抱きしめられて驚いた

 

だけど

 

“君は 1 人じゃない”

 

その言葉は

 

今から行く所を思い出して暗くなった私の心を軽くしてくれた

 

明るく照らしてくれた

 

少しだけ甘えたくて

 

私も抱きしめようとした時

 

その温もりは離れていった

 

「ごめんね 変なことして

　今からどっか行くんでしょ？

　はい 自分の連絡先」

 

スマホをお互い弄って連絡先を交換すると

 

「じゃ いってらっしゃい」

 

そういって私を送り出した

 

その姿に私は軽く手を上げて答えると

 

バイクのエンジンを付けて

 

目的地に向かった

 

一年ぶりのあの場所へ

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