第52話 百聞は一見に如かず ページ5
「それで、
投げやりな言葉で、放心状態の両親に問いかけた。
貧民街から見て外にある喫茶店の一角。奥まった場所にある四人掛けの席では、
「…Aは…、何年あそこに住んでいたんだ?」
「5年半です」
やっと声を出せた父の質問に、短く返答する。あたしが勝手に注文したアイリッシュ
「どうやって生きて…。嗚呼。それは、聞いていたか」
相当衝撃を受けたらしく、父は独り言を
「ねぇ、A。『羊の王』って誰の事? 重力使いって何?」
「両方共、中也さんの事です。重力を操る異能を持っているんです。かつて、あたしは、彼を中心とした組織の右腕として支えてきました。そして、これからも、彼の隣で力になると決意しています。
「ええ。わかったわ」
消え入るような小さな声だったが、人心地がつき、冷めたミルクティーを喉に流し込んでいく。推測で相手を判断されるより、現実を見せたほうが手っ取り早く済むと思って、こうして両親を連れてきた次第だったけれど、思いの
独り満足して、机上に置かれたオムライスを前に、
「…よく生き延びてくれたなァ」
「それは結果論ですが、あの場所で、むざむざ死にたくありませんでしたから」
父が、涙目でコップの
「A。来月末の土曜日なら都合がつくから、顔を見せなさい」
その一言が何を意味するのか一瞬判らず、思考を停止していた。
152人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
エミリア1415(プロフ) - 薫染-ゆきせ-さん» 薫染ゆきせさん、コメントと応援。ご指摘ありがとうございます。意味を間違えて使っていました。教えて頂き、ありがとうございます。すぐに修正しますね。更新も頑張ります。 (2019年8月25日 21時) (レス) id: 82aefb6635 (このIDを非表示/違反報告)
薫染-ゆきせ-(プロフ) - 此れからも更新頑張って下さい!2枠続けてのコメント失礼しました。あと 言葉運びが意図的なものだったらすみません! (2019年8月25日 20時) (レス) id: e1459da1b7 (このIDを非表示/違反報告)
薫染-ゆきせ-(プロフ) - 何時も楽しく読ませて貰ってます!89話の中の台詞についてなんですけど…内容的に「満身創痍」ではなく「五体満足」の方があっていると思いますよ。あの台詞だと「全身傷だらけで良かった。」みたいな意味になってしまうので…可也 上から目線ですね。すみません (2019年8月25日 20時) (レス) id: e1459da1b7 (このIDを非表示/違反報告)
エミリア1415(プロフ) - 銀桜さん、コメントありがとうございます。少しでも話を進められるように、更新頑張りますね。 (2019年8月22日 17時) (レス) id: 82aefb6635 (このIDを非表示/違反報告)
銀桜(プロフ) - あぁ、夢主ちゃんと大我くんが元に戻って良かったです。更新頑張ってください! (2019年8月22日 17時) (レス) id: 1194b2a018 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:エミリア | 作成日時:2019年6月30日 13時