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第5話 対策 ページ7

「味がしない?」
「うん。今朝から。今も、味のないはんぺんを食ってるみたい。フレンチトーストなのにな」
「元々、はんぺん自体味がしないけどね」

 託児所を併設している火影社内(関東支部)で、昼休みをリンと共に取っている時に、今朝の事を話していた。

「Aちゃん。原因は判る?」
「ストレス、かな?」
「疑問形で返されても困るよ」

 自分でも確信していないのに、断定できるはずがない。

「心因性か……。一度、精神科行ってみる?」
「却下。それより、ここいらで格安の物件──」
「『それより』?」

 彼女の声が、若干下がった。怒っている証拠だ。

「私は、物件どうこうより、Aちゃんの事が心配で言ってるの。他の病気を併発する前に、ちゃんと受診しないと大変になるんだから。Aちゃんは、もう独身じゃない。ナルト君のお姉さん代わりで、良平君のお母さんになったんだよ。もっと自分の体を大事にして。なんでも独りで背負わないで。私も力になるから。ね?」

 本当は、親友の言葉が凄く嬉しかった。だが、家庭環境。もとい、夫婦の問題は簡単に解決できない。特に、ポートマフィアと五影の下に居る忍の立場では。容易に公表できる訳でも、共闘している訳でもない。

「ありがとう、リン。改善されるまで、もう少し待つよ」

 物件の件は、先日紹介された人事部の担当者を介してもらい、事情を話し、業務後に会う約束をし、一先ず一安心した。


「『木の葉ヒルズ』は、忍専用ですので、万が一、ポートマフィアに奇襲される事を考慮して、頑丈な造りになっております」

 一見、普通のガラス窓だが、結界とあらゆる忍術や異能力を無効化にする術式が、厳重に幾重にも組み込まれている。それで、管理人は、結界師と術に長けてる者のツーマンセルだったのか。

「A姉ちゃん。こっちのクローゼットのほうが広いから、俺、隣の部屋にするってばよ」
「……もう住む気満々ですね。いかがなさいますか?」
「こちらにします」
「では、こちらの書類の注意事項をよく読んで、署名と判子をお願い致します」

 全ての手続きを終わらせ、風呂を焚き、ベッドと寝間着を準備し、夕飯を買いに行く。

「ナルト。今夜は、ファミリーレストランにしよう」
「マジで! 今から迷うな。A姉ちゃんは、何にする?」
「お店に着いてから決めようかな」

 一番心配だった住居が決まって、安堵して、良平とナルト。2人の子供のために、明日の仕事を頑張ろうと思えた。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 芥川龍之介 , NARUTO   
作品ジャンル:恋愛
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エミリア1415(プロフ) - にゃんこさん。コメントありがとうございます。魅力的に書けるように頑張ります。 (2021年1月15日 15時) (レス) id: 82aefb6635 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ - 芥川大好き。龍チャン愛してる。 (2021年1月15日 13時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
エミリア1415(プロフ) - 白狐さん» 白狐さん、コメントありがとうございます。更新できるように精進しますね (2018年12月16日 17時) (レス) id: c808353d76 (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - あー、最高。全てが好き。更新頑張ってください。僕の為にも((( (2018年12月13日 23時) (レス) id: b607d0f086 (このIDを非表示/違反報告)
エミリア1415(プロフ) - ありがとうございます。頑張りますね。 (2017年4月9日 15時) (レス) id: 738ed6759e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エミリア | 作成日時:2017年3月12日 22時

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