Episode 8 ページ9
【監督生視点】
「特訓したのに３位だなんて……」
適当にブラブラしていたら、二年の部のクロッケー終わりのリドル先輩に捕まってしまいガミガミ言われた。
貴方のせいで体力を削られて本領発揮出来ませんでしたなんて言い訳を口にできる雰囲気ではない。
死に急ぎ常連の方を見るも、何を言ってもリドル先輩にオフウィズされると分かってるのか「すみませんでした」と素直に謝ってた。
おお、学習してる。
結局リドル先輩のネチネチタイムのせいで三年生の競技が見れず仕舞いで。あーあ、運動会こそはディアソムニアの寮長見れると思ったのに。
悲しみに暮れながら卵焼きを口に放り込んだ。
「小エビちゃ〜〜〜ん♡」
刹那、飲み込もうとした卵焼きは今の声の主に首を締められたことによって未遂に終わった。そのうえ咽せたせいで出てきた。
おい、エーデュース汚いって言うな。
「リーチ先輩とフック先輩も…、お疲れ様です」
「お疲れ様っす」
エースとデュースが僕の後ろに目を向けて声を掛けたから、フロイド先輩の他にジェイド先輩とA先輩もいると分かり、首を掴まれていることを忘れて振り返る。
一瞬A先輩の顔が歪んだのは、気のせい。
「サバちゃんのアンカーすごかったね〜！」
「ありがとうございます！」
「それに比べて小エビちゃんとカニちゃんはオレでも抜かせそうなくらい遅かったねぇ」
陸二年目に言われてたじろぐ。いやいやいや流石に脚の長さのハンデがあっても負けないハズ……。フロイド先輩と言い合うエースを見ながら、言い返してもキリが無いのに、そう思った。
デュースとジェイド先輩が
エースとフロイド先輩が
話してたから僕はA先輩と話そうと思って勇気を振り絞って声を掛けた。
「………なに？」
「えっとその、寮長対抗頑張ってください！」
「僕たち敵チームだけど？」
「あっ、」
みるみるうちに顔が赤くなる僕に対して、全く表情を変えないA先輩。ぴくり、と先輩の眉が動いたのもきっと気のせい。
僕の言葉に話してた四人が笑ったのを合図に、A先輩は踵を返した。
.
続く (更新停止中)
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作成日時：2020年8月12日 2時
