その男、情報屋。 (ページ3)

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case1-2 ページ3

「まずは確認を。身辺調査、浮気調査、人探しは俺はやらない。こいつらがやる。」
「押し付けてるだけでしょ。」
『まぁ、俺はそういうのが得意といえば得意だな。』

「うちで事件が…」
「事件？？」
「夫が…コロされて…ニュースにも…名前は、四ノ宮英夫。」
氷雨はすぐスマホを取り出し、調べようとする。
『有名画家のサツ人事件…立川の自宅アトリエでの事件だな。』
「合ってる。」
「サツ人！」
「お悔やみ申し上げます」
『倒理が喜びそうな事件だと思って調べといた』
「A！不謹慎だろ。」
「テンション上がる」
「喜ばない！」
『だと思った。』
「A！」
「依頼人の求めるのはお悔やみの言葉でなく、謎を解くことだ。だからここに居る」
そう言って机の上に足を乗せ、座る倒理
「足を乗せない！」
それを咎める氷雨
『この謎は集めがいがありそうだ。』
「まったく…君たちは…。」
呆れ返る氷雨は切り替えて依頼人に向き合う。
「でも、殺ジン事件なら警察が捜査したのでは？」
「それが…少し捜査したら、2人の刑事さん以外引き上げてしまって…」
「それで仲介屋のおっさんに紹介されて来たのか。」
『あのおっさんもほんと何でも持ち込んでくるよな。』
「優秀な探偵さんが力を貸してくれると聞いたんですけど、どなたが探偵さん…？」

俺たちの顔を見ながら聞いてくる依頼人に倒理が答える。

「残念ながら探偵はここに座ってる両方」
「うちは共同経営なんです。不可能担当御殿場倒理、僕が不可能担当片無氷雨です」
『俺は情報収集をする情報屋だ。』
「ふ、不可能？不可解？？情報屋…。」
「得意分野、俺はトリックをコイツは動機、でこっちの奴はそのまま、事件の情報や依頼人、被害者、被害者関係の情報を持ち出してくる。」
「今回のご依頼はどちらになりますか？？」
「どちらかと言うと…両方かしら？？？」
「最っ高のコロされ方！」
興奮したように立ち上がる倒理に氷雨は倒理！とまた咎める声を上げる。

「ご安心を…

俺たちに解けない謎はない。」

氷雨の座ってるソファーの後ろに立ち、俺を引っ張ると得意顔で倒理は依頼人にそう告げる。