Part77 ページ30
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もう一度すみませんでした、と謝罪した後、失礼しますと言って刑事さん達は退室していった。
それを確認したあと、あたしは一つ溜め息を吐いてぐしゃぐしゃと髪の毛をかき回す。
著者近影を見た人間に話し掛けられるのは始めてだった。あの本の初版はとっくに全部売れてるし、有難いことに何度か写真無しで重版もされている。
だからと言って安心出来ないのは、現代の発達し肥大化したネットワークのせいだ。
今回こんな大事になってしまったのだから、これまで以上に顔バレや住所バレ・個人情報バレには注意しなければならないだろう。
となると...
『引っ越すのが一番の得策、かな...』
犯人が捕まったからと言って、今の家が絶対に安全とは言い切れない。
やはり、何処か別の場所に引っ越した方が良いのだろう。
ぼすん、とベッドに倒れ込んで天井を何とはなしに眺める。
いくら原稿をあげる直前まで行っているとはいえ、今の状態で引っ越しするのはあまり自分的に好ましくない。でもあの家に居続けたくはないのも事実だ。
今後どないしよかな、と考え込む。
数分程頭を悩ませ、あたしはパタンと瞼を閉じた。
どうせ何日かは入院せなあかんし、引越しするにも手続きやら準備期間が必要だ。
それならまず、身体を回復させることに集中しないとリオにシバかれる。
そのままあたしの意識はゆったりと沈んでいった。
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赤羽愛松(プロフ) - なななさん» ひぇ、有り難きお言葉です〜!!(土下座)遅筆ながらも頑張って行きますのでよろしくお願いしますm(*_ _)m (2017年6月28日 22時) (レス) id: cd7c587832 (このIDを非表示/違反報告)
ななな - テスト前なのに面白くて一気読みしてたら親に怒られました。←更新頑張ってください! (2017年6月28日 21時) (レス) id: 386da7e4eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤羽愛松 | 作成日時:2017年5月30日 0時