66*見つけたわ。 ページ19
宮治side
昨日の夜に見た女の子。
美味しそうに食べるから俺もそれ食うてみたいって思い、声を掛けていた。
｢なにナンパしてんの？｣
｢食う顔幸せそうでかわええな…思ったら声掛けてたわ。｣
｢胸にしか目ぇいかなくて、顔見なかった！｣
そんな会話をしたのが昨日で、前を歩く白と紫の制服に既視感があり階段でずっこけるから思わず腕を引っ張ってた。
昨日の子や…って思い話しかければ俺らの事も知ってたらしい。
…確かに制服でもわかるくらいに胸でっかいし、緊張してんのか恥ずかしそうな顔してはる。
｢どこの学校なの？
応援来てるって事は強いとこなんやろ｣
｢宮城の白鳥沢学園だよ。
県内では強豪って言われてるとこ。｣
｢牛島君のとこか。｣
｢そうそう。
声かけたかったんだけど見失っちゃった。
…宮さんにコレあげる。助けてくれたお礼。｣
受け取ったのは宮城の銘菓。
ちらりと見えたバックの中には食べ物がたくさん入ってる…
｢宮さんやのうて、治って呼んでや。
お菓子ありがとう。俺食べるの大好きだから嬉しいわ。｣
｢治君でいい？
私も食べるの大好き｣
満面の笑みかわえぇな。
胸もやけど唇もふっくらして美味しそうやし…
のんびりしてるって言うのかおっとりしてて稲荷崎には居ないタイプの大人しそうな子。
｢あ、ごめんね。連絡来たから戻らなきゃ。
それじゃぁ治君、頑張ってね！｣
｢おん…あ、連絡先…って早っ！｣
駆け足で進むAちゃんはあっという間に居なくなってしまった。
白鳥沢は全国の常連で、今日負けて帰ることは無いやろ。
それに泊まってる旅館も一緒やったし、誰か選手に聞けばAちゃんの連絡先教えてもらえるかもしれん。
試合は午後からで、稲荷崎の奴等がいるスペースに戻ればそれぞれが自由に動いてて人が少ない。
小腹も空いたし貰ったお菓子、萩の月を食べてるとツムが便所から戻ってきた。
｢何食ってんの？｣
｢…萩の月めっちゃ美味いわ。
Aちゃんにもろた。｣
｢誰やそれ？聞かん名前やな。｣
｢昨日ナンパした子、ここに来てた。
胸でっかかったわ。｣
｢俺も見たい。
あわよくばつまみ食いして帰りたいわ。｣
｢絶対やめろや｣
ツムは人でなしやから何するかわからん。
俺はつまみ食いやなく、兵庫に連れて帰りたい。
初戦は勝ち進み、同じ宿でAちゃん見つけて運命ちゃう？って想った。
両隣にでかいのと美形が居たけど、友達か、彼氏か。
楽しそうな顔で話してた。
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作者名：モカ
| 作成日時：2020年4月10日 21時
