61*無条件な甘さと必死な姿 ページ14
Aside
若干のビビリを感じながらも、北川に帰って来ちゃった訳で。コンビニでアイスとお菓子買おうと物色してると聞き慣れた声。
｢Aじゃん。
なーに？なんか嫌な事、あったんでしょ。もしかして別れた？｣
｢…別れてませんー。お菓子買いに来ただけですぅー｣
｢お前が衝動買いする時は大抵何かあった時か生理の時じゃん。｣
｢……ほっといてくださーい。｣
お前のことならわかる。って言われてる感じがイヤ。
付き合いが長いから本当に分かられているんだろうなぁ…
｢徹先輩アイス食べたいです。限定の買って下さい。｣
｢…まぁ、良いけど。
ケンカでもしたの？｣
｢してない。｣
｢別れてもお前の事は心配してんだから、何かあれば頼りなよね。｣
頭を撫でられ、アイスを手に徹先輩はレジに向かう。
…知ってる。
あの人が甘くて優しい事を。
それにしても良いのか悪いのかタイミング…
買ってくれたアイスにお礼を言いつつ、家まで送ると言われたけど目と鼻の先。
…結局徹先輩の帰り道は我が家の前を通らなきゃいけないから一緒に帰る事になった。
｢相変わらず優しいね。｣
｢俺が優しいなら相手がお前だからだけどね。｣
｢…今更かもしれないけど｣
｢復縁する？｣
｢…出来ないよ。
…バレーする徹先輩大好きだったよ。集中したいって言われればワガママも言わないでちゃんと待てたよ私。…今更だけど。｣
｢お前が尊重してくれるって分かってたのにね。
俺の勝手なけじめのつもりだった。｣
知ってる。徹先輩がバレーに一途な事を。
1つのものを突き詰める事も。
そういう意味ではバレーをするために外部入試して、正セッターにまでなった賢ちゃんも一途。
｢A！｣
引かれた腕に振り返れば賢ちゃんの姿があって、予想外の事にビックリしている。
追いかけてきたんだよね…
先に帰ったから怒ってる…？
｢今Aとデート中なんだけど、白布ちゃん｣
｢俺の彼女なんで。
…先帰ってんじゃねぇよ。｣
｢ごめん、なさい。
徹先輩アイスありがと。｣
部屋に入り、不機嫌な顔が私をじっと見ている。
…なんで来るのよ…そう思うも来てしまったものは仕方ない。
徹先輩と居たところ見られたし気まずい…
｢…おい。
甘やかしてやるから来い｣
｢…え？｣
｢良いから来い。｣
引っ張られるから賢ちゃんの胸に落ちる様な体勢でだきしめられている。
…胸の音すごい。顔には出てないけど緊張してるのかな？
｢…悪かった。｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 907人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：モカ
| 作成日時：2020年4月10日 21時
