ツンデレ王子と白鷲のお姫サマ[白布賢二郎]

46*ほんとおもしろくて困る ページ47

川西太一side


Aと藍が教室を出ていくし、白布も飲み物買って来ると購買に行くから後を追う。


｢白布さん怒ってます？｣

｢別に怒ってねぇけど、A居る時に下ネタ言うのやめろ。｣

｢へーい。
…で、ヤッちゃったの？｣

｢興味津々かよ…｣

｢そりゃ賢二郎の恋を応援する身としては気になりますよ。｣


俺を見上げたあと、ふっと鼻で笑うから随分とご機嫌な様子。
少し先に五色の姿があり、俺達を見付けて笑顔で駆け寄って来る。

真面目って言うから素直って言うか可愛い後輩の１人。


｢白布さーん、川西さん！チワッス！｣

｢おう五色。校内で会うの珍しいな。｣

｢はい！
消しゴム無くして買いに来ました。｣


校内にある購買には食べ物は勿論だけど、体操服や筆記用具、学校で必要な物が大体揃ってる。
白布は五色に興味もなさそうに購買に入るし、後ろからは｢賢ちゃんいたー？｣と間延びした声。


｢賢ちゃん購買の中にいるぞ。｣

｢あ、キミ見た事ある。
試合の時ズバンってスパイク打ってた子でしょ。格好良かったよ！｣


ヒラヒラと手を振ってAは購買に入っていく。
あとから来た藍は俺と五色を見たあと隣に並んだ。


｢A怒ってない？｣

｢怒ってないけど、教室で他のやつも居るんだからデリカシー無い聞き方やめな。｣

｢うぃっす。｣


｢か、川西さん！｣

｢うわっ、なに？五色さん｣

｢今の人はAさんって言うんですね。｣

｢そうですよ。｣


妙に顔の赤い五色に嫌な予感しかしない。
藍と顔を見合わせて居るも、俺を純粋な目で見つめてくる五色が眩し過ぎる…



｢コーヒー苦くないの？｣

｢別に苦くないけど。飲んでみる？｣

｢やだ、苦いもん。
賢ちゃん、野菜ジュース飲む？初夏限定味だって｣

｢飲む…俺好きな味。
…五色まだ居たの。｣




イチャイチャしてんじゃないよ…
仲良さそうに購買から出てきた２人と、Aの前に小走りで駆け寄る五色。


｢えっと…五色君？｣

｢はい、五色工です！
俺、Aさんに一目惚れしました!!
付き合ってください!!｣


驚いたのか賢二郎の袖を掴み、目を大きく開けて五色を見上げるAといつもの無表情から目のハイライトがログアウトした賢二郎。



｢…｣

｢あの、えっと…｣


五色よりも隣の白布に明らかにビビるAと、Aしか見てない五色。

ちょっと面白くて写真撮りつつ、五色のデカイ声で周りに野次馬が集まって来てる。

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