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35*お昼寝の時間 ページ36

白布賢二郎side




テスト期間に入り、勉強をする名目でAが寮に来ている。

元気が無い気。
表情の暗さとか、笑い方がいつもと違う。


最初のうちは勉強をしたり教えたりしていたが、休憩を挟んだら俺の背中に抱きついて離れない。
甘えてる、のか?

…正直くそ可愛いし、柔らかいし嬉しい。


「A。
お前朝から大人しいけど腹でもいてぇの?」

「痛くない」


背中に頭をグリグリしてくる。
腹が痛い訳ではないのか。
俺達男には知識としてしか分からないが、女子は毎月痛くなる場合もある。


「…賢ちゃん。」

「どうした?」

「甘やかして。」

「お前…なんかあった?
今日明らかに様子おかしいけど。
具合悪いなら帰れよ。」


言ったあとに、ハッとした。
Aは俺から離れてゆっくりと立ち上がって、勉強用具をバックに片付け始めた。

帰ってほしくはない。
勉強はしてほしいけど、一緒にいたい。

具合が悪いなら話は別で…


「っ?!」


目を赤くしてAは俺を見下ろしている。
濡れたまつ毛と引き結んだ唇に息を呑んだ。

プイッと顔をそらし、ベッドに置いてあるゴマアザラシのぬいぐるみを抱えてそのまま俺の布団に横になった。



「賢二郎にくっつきたかっただけだもん…
優しくしてくれない賢二郎は大好きな彼女の匂いが残るベッドで今夜は悶々とするが良い…!
あと眠くて限界。」



秒で寝た…?


自分のベッドに寝る彼女…こいつの匂いも好きな俺は今夜どんな想いでここに寝なきゃなんねぇんだよ…と呻いた。

夜の不安もあるが、寝顔可愛い。何枚か寝顔の写真を撮ってから見つめた顔は目の下にくまが出来ている。

昨夜遅くまで勉強でもしてたのか。


念の為触れたデコは熱くない。


髪を撫でてやればサラサラと指の隙間をすり抜けていき、更に触れた頬は柔らかい。
ゆっくりと目を開けて手に擦り寄って来る。


「…けんちゃん…
えっちなことしても良いから抱きしめてほしいです。」

「お前さ…ここ寮で太一もいつ戻ってくるかわかんねんだぞ。」

「昨日ね、ちょっと…嫌な事があったの。
色々考えてたら眠れなくて…」


俺を見上げる涙目に負けた。
惚れた弱みだ。コイツの希望なら叶えてやる。

同じ布団で寝るとか…良いのか?ほんとに…?
なぁ、俺の理性?


俺の不安なんて関係ないとAはくっついてくるから、言葉を失い抱き枕と化した。



寝れねぇほどの嫌な事ってなんだ…?


背中を叩いてやれば規則的な寝息が聞こえてきた。

36*男泣かせと男絡み→←34*街角で激突



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モカ(プロフ) - バニラさん» わぁ!嬉しいです!白布君かっこいいですよね!更新頑張ります! (2020年4月5日 16時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
バニラ(プロフ) - 白布君がイケメンすぎて、、毎日更新楽しみにしてます! (2020年4月5日 14時) (レス) id: 077e9ee44f (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - q66さん» コメントありがとうございます!キュンキュンしてもらえて嬉しいです!叫ばせてしまい…相手はツンデレの白布君なのでどうなるか… (2020年3月27日 8時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
q66(プロフ) - いつもキュンキュンしながら見てます!!白布くんとの次の段階に進むのが進まないのかもう、気になりすぎて叫んでます笑 (2020年3月27日 2時) (レス) id: 934092aeb0 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - タナさん» コメントありがとうございます!キュンキュンしてもらえて嬉しいです!こんな人…居ると最高なんですけどね… (2020年3月24日 17時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:モカ | 作成日時:2020年3月15日 9時

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