34*街角で激突 ページ35
お弁当、喜んでもらえて良かったなぁ。
バス停まで送ってもらい明るい気持ちで地元へと帰って来た。
いつもと違うのはお母さんにお遣いを頼まれたくらいで、バスを降りて近所のスーパーに行き片栗粉とお菓子を買った事。
早く帰って夜ごはん〜なんて今夜のおかずを妄想していると携帯が震える。
[もう着いたか?]と賢ちゃんからのメッセージを確認していたし、画面にばかり注視していた自覚がある。
正面から来た人とぶつかってしまい、尻もちを確信したが、背に回された片腕に支えられ倒れる事は無かった。
驚きで声を出せなかったが至近距離にある眠たげな瞳としっかり目があっている。
おまけに若干のトキメキだ。
「すんません」
「…い、いえ、こちらこそぼーっとしてました。」
あ、中学の後輩。
そんで身に纏う見た事のある白とペールグリーンをあしらったジャージに、青城のバレー部だと気付くももう遅い。
「国見ちゃんカッコいいね。
ぶつかった女の子を片手で支えちゃう、なんて。
ねぇ、A。」
「…見た事あると思ったら先輩だ。」
支えられ真っ直ぐに立てた私をじっと見る黒目と、心底楽しそうに見る茶色の髪。
少し後ろには岩泉先輩と確か金田一君もいる。
頭を下げてから逃げるも掴まれた手に阻止されるから、岩泉先輩に助けを求めた。
「おい、離してやれよ。」
「離したら逃げちゃうじゃん。
聞いたよ、今付き合ってる奴、白鳥沢の正セッターなんでしょ。
6月のインハイ予選、観に来てよ。牛若も白鳥沢にも勝つのは俺達だよ。」
「この間から何なんですか。
今更、私に関わらないで下さい。
…男が出来たって知った途端惜しくなりました?」
「修羅場?痴話喧嘩?」
「及川さんが女々しいんじゃない」
離れて見ている後輩の声はしっかり聞こえてくる。
そう、この人が女々しいんだと思う。
岩泉先輩が手を引き剥がしてくれたから距離は保てたけど…
「インハイ予選は観に行きますよ。彼氏の応援の為に。
及川さんはたゆまぬ努力をしている事は想像付きますし、1選手としては応援もしているので。」
「…ちゃんと俺の事観てなよ。」
今更だと思う。
…反面、及川さんは未だに私を好きで居てくれているんじゃないかと思わざる得ない。
嫌いで別れた訳じゃない、本当にバレーに集中したくて…あの日の「待ってて」は迎えに来る気で言ったのかもしれない。
ほんとに今更だ。
…賢二郎に会いたい…
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モカ(プロフ) - バニラさん» わぁ!嬉しいです!白布君かっこいいですよね!更新頑張ります! (2020年4月5日 16時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
バニラ(プロフ) - 白布君がイケメンすぎて、、毎日更新楽しみにしてます! (2020年4月5日 14時) (レス) id: 077e9ee44f (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - q66さん» コメントありがとうございます!キュンキュンしてもらえて嬉しいです!叫ばせてしまい…相手はツンデレの白布君なのでどうなるか… (2020年3月27日 8時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
q66(プロフ) - いつもキュンキュンしながら見てます!!白布くんとの次の段階に進むのが進まないのかもう、気になりすぎて叫んでます笑 (2020年3月27日 2時) (レス) id: 934092aeb0 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - タナさん» コメントありがとうございます!キュンキュンしてもらえて嬉しいです!こんな人…居ると最高なんですけどね… (2020年3月24日 17時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モカ | 作成日時:2020年3月15日 9時