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スキ、きす。 ページ10

「あんた、本当に自分に向けられた気持ちに鈍いのな。」
「わ、からないよ。そんなわけ、」
「何度も言わせんな。理解しろよ、先生なんだろ、」
「だからだよ…!」

生徒の幸せを願うのが先生だ、と思う。
だけど、それが。
その相手が僕で、僕が幸せになるのは。

「違うよ、」
「いい加減にしろよ、頑固すぎんだろ…。」
「だって、」
「だっても何もねえよ、」



竜くんはため息を何回もこぼしながら、理解できない僕に付き合う。
そしていう。
「何したら信じてくれんの?」

「じゃあキスくらいしてよ、できないだろ。こんな格好してたって男なんだぞ。」
笑ってみせた。滑稽だろう、そう言いたかった。

どんなに綺麗に着飾ってもきみとおんなじ男なんだよ?



でも、きみは。
何事もなかったかのように。
「そんなんで信じるんだな?」

そう言って、なんでもないようにキスをした。
とっても、優しかった。



「安心しろよ。そのくらいの覚悟してなきゃ”好き”なんざ言わねえよ。」
太陽のように、眩しく笑った。

しあわせのかたち。→←追いかけた先、気づいてたこと。



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作者名:シラハマ00 | 作成日時:2020年4月29日 2時

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