�掘�探偵社と迷子 ページ9
《中原side》
朝。
息を切らしながら、今日非番であった
俺と太宰、紅葉の姐さん、芥川で各々
どたばたとマフィア本部を駆け回る。
「各階如何だった」
俺が三人に訊くと、首を横に振る。
この場に居る全員が切羽詰まった様子だ。
畜生、何処行ったんだあのチビは。
*
事の始まりは、些細な喧嘩だった。
俺が休暇に彼奴と遊園地に遊びに行く約束を
していたのだが、其れを忘れ昼過ぎまで
爆睡してしまったのだ。其れも三回。
一回目と二回目は
「中也さんもおしごとでつかれてるから」
と許してもらったが、やってしまった三回目。
とうとう、
『中也さんなんかだいっきらい!!!』
チビが怒った。
「仕方ねえだろ･･･
こちとら激務で疲れてんだよ」
幹部も楽じゃねえんだから、と付け足す。
だがチビの怒号は収まらず、
『このあいだもそのまえも、そう言って
つれてってくれなかったもん!!
しかもかんぶかんぶって、同じかんぶの
太宰さんはいつもふらふらひまそうじゃん!!
もういい!!』
そう吐き捨てて、チビは荒々しく
音を立てて扉を閉め、
俺の執務室から出て行った。
太宰があらぬとばっちりを
受けたのはこの際置いておいて。
その時の俺は、寝惚けているのもあって
危機管理能力と思考が疎かになっており、
どうせ子供の行動範囲なんぞ限られてると
思い胡座をかいて追いかけることをしなかった。
数時間もすれば帰ってくるだろう、と信じ込んで。
其れがいけなかった。
結果的には、チビは
丸一日帰ってこなかった。
*
「･･･建物内におらんとなると、
本格的にあの子の身が危険に
晒されている可能性が出てくる」
紅葉の姐さんの言う通りだった。
あの小さな身体じゃ一晩外で遣り過ごす
だけでも危険が及ぶ可能性は高い。
俺等とは違う、まだ小さい子供なのに。
しかも昨日は確か
黒外套を羽織っていなかった。
となると今彼奴の使える筈の、
芥川の異能も使えない。
体術は有る程度身に着けているが、
男が一絡げで来られたら一溜まりも無い。
湧き出るのは後悔ばかり。
下唇を強く噛む。
昨日の俺を切実に引っ叩きたい。
彼奴が怒った原因も、
出て行った原因も全て俺のせい。
握った拳にぎち、と爪が食い込む。
「取り敢えず、首領に報告しよう」
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百鬼 レヴェル(プロフ) - この作品とても好きです！陰ながら応援させて頂いております‥‥！ (2016年12月11日 17時) (
レス) id: a171e3b181 (このIDを非表示/違反報告)
あかさたな - 更新頑張ってください！（＾ω＾） (2016年11月27日 16時) (レス) id: c03256ea79 (このIDを非表示/違反報告)
廉 - 私も某バレーアニメに某刀剣擬人化アニメ見てます!! (2016年10月30日 0時) (レス) id: d91f3f562f (このIDを非表示/違反報告)
ももニャン(プロフ) - 更新まってます！ (2016年10月9日 0時) (レス) id: d319533860 (このIDを非表示/違反報告)
瑠樺@深夜営業(プロフ) - 更新全裸待機してます！さすがに全裸は見苦しいですが！頑張ってください！応援してます！ (2016年9月23日 17時) (レス) id: 2e445ac1d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩梅なり | 作成日時：2016年5月10日 0時
