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《中原side》
･･･いや、そういった長い説明は止そう。
恐らく資産家夫婦の子供であろう
少女がいたのだ、所謂虐待を
受けていたと思われる少女が。
其の少女は只淡々と
此方を見据えている。
余りに見られている為、動きづらく
銃を構えようにも構えられない。
そうして無言の空間が出来る。
すると。
『･･･あなたが、ころしたの？』
目の前の少女が、口を開いた。
静かに、ぽつりと零したような
其れだがとても凛とした声。
見た目に比例して声まで
透き通るような美しさだ。
･･･何故資産家夫婦は此の美しい
少女を虐げたのか。些か疑問だ。
「･･･嗚呼。だったら如何した」
此奴は今まで殺してきた奴等と同じ様に、
自分は殺すなと懇願するのか。
怖いと震えだすのか。逃げ出すのか。
次の少女の言動を予測しながら
返事をすると。
次に返ってきたのは、
『ありがとう』
俺の予想の斜め上を行く言葉だった。
満面の笑みで目の前の少女は、
確かにそう礼を言った。
其の綺麗な顔で"ありがとう"と。
周りに花が咲いているかと
思うような、心の其処からの笑顔。
余程両親に対して思う所があったんだろう。
「･･･別に。手前の為じゃねえ」
只一言、そう返すと
それもそうか、とまた笑う。
しかし今度は、此方の心が痛む程の
何もかもを諦めた笑み。
『･･･これで私も、すっきりしてしねる』
その笑顔を携えたままそう零す姿に、
憐憫の情を抱いたのか、
其れとも只興味を引かれただけなのかは、
自分でもよく分からない。
ただ。
「･･･手前、俺と来るか」
『･･･え、？』
「だから、俺と外に出るかって訊いてるんだ」
手前は、死ぬにはまだ早い。
思ったままを口に出す。
普段の自分なら夫婦と同じく
掛ける言葉もなければ
直ぐ様天国へ送るだろうが、
今日は其の気にはなれなかった。
俺がそう云うと、いいの？と不安げに
尋ねてくる少女。
俺は肯定の代わりに其奴の手を掴む。
すると其奴は恐る恐る、けれど
しっかりと俺を見据えて立ち上がった。
『･･･行く。行きたい』
そうして俺はクローゼットという
閉鎖的空間の中から、
僅かな食事の残りかすとボロボロの
縫いぐるみしかない其の中から、
チビを連れ出したのだった。
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百鬼 レヴェル(プロフ) - この作品とても好きです！陰ながら応援させて頂いております‥‥！ (2016年12月11日 17時) (
レス) id: a171e3b181 (このIDを非表示/違反報告)
あかさたな - 更新頑張ってください！（＾ω＾） (2016年11月27日 16時) (レス) id: c03256ea79 (このIDを非表示/違反報告)
廉 - 私も某バレーアニメに某刀剣擬人化アニメ見てます!! (2016年10月30日 0時) (レス) id: d91f3f562f (このIDを非表示/違反報告)
ももニャン(プロフ) - 更新まってます！ (2016年10月9日 0時) (レス) id: d319533860 (このIDを非表示/違反報告)
瑠樺@深夜営業(プロフ) - 更新全裸待機してます！さすがに全裸は見苦しいですが！頑張ってください！応援してます！ (2016年9月23日 17時) (レス) id: 2e445ac1d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩梅なり | 作成日時：2016年5月10日 0時
