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《国木田side》
『･･･ごめんなさい、国木田さん』
だましたりして。
車からたっ、と降り、そう云うAは
冷酷非情なマフィアにはない、
寂しそうな、苦しそうな顔をしていた。
ポートマフィアのA。
噂には耳にしたことがあるが、
こんな幼子だとは思わなかった。
精々中学生位だと思っていたが、
何てことだ。こんな幼子にまで、
マフィアは手を出していたというのか。
『ころしますか？わたしを』
自虐的に笑うA。
話では人を殺める時でさえ無表情
だと聞いていたが。
こんな、辛い顔をするのか。
「･･･いや、人を殺める趣味は無いんでな」
『･･･そうですか。
へんな人ですね、国木田さん』
と、
「･･･チビ？」
Aの後ろから、声が掛けられる。
其処には、
『!中也さん･･･』
ポートマフィア幹部、中原中也が
確かに立っていた。
マフィア幹部と向かい合うことで
改めてAがマフィアだという
現実を突きつけられる。
「お前、探偵社の――」
俺がAを誘拐と思ったのか、
長外套の下に隠していると思しき
拳銃に手をやる中原中也。
が。
『中也さん、此の人はいい人。
助けてくれた』
Aが其れを手で牽制する。
･･･如何やら俺を庇ったらしい。
「･･･!そうか。世話になったな。うちのチビが」
「殺さないのか」
つい先程Aとした様な会話を、
立場を変えてまたする。
「助けて貰ったからな。今回だけだ」
「そうか」
一応礼儀というのはあるらしい。
中原中也はAに「行くぞ。」と
云うと建物の中へと消えていった。
其の後を急いで追うA。
その後姿を見て、何故か俺は
「また、遊びに来い。
マフィアとしてじゃなく、な」
声を出した。自分でも、よく分からなかった。
敵であるマフィアに声を掛けるなど。
ましてや「また来い」などと云うなんて。
『･･･えへへ。国木田さん、
やっぱりへんな人ですね』
ありがとう。そう笑うAを
見送った後、車を再び走らせる。
敵であるマフィアと馴れ合ったというのに、
不思議と後悔は無かった。
数日後、こっ酷く怒られ抱きつかれ
泣かれ心配されすぎて、任務はおろか
ろくに中原中也の執務室から
出させて貰えないAが、
「あいがおもい」とぐったりながら
抜け出して助けを求めにくるのはまた別の話。
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百鬼 レヴェル(プロフ) - この作品とても好きです！陰ながら応援させて頂いております‥‥！ (2016年12月11日 17時) (
レス) id: a171e3b181 (このIDを非表示/違反報告)
あかさたな - 更新頑張ってください！（＾ω＾） (2016年11月27日 16時) (レス) id: c03256ea79 (このIDを非表示/違反報告)
廉 - 私も某バレーアニメに某刀剣擬人化アニメ見てます!! (2016年10月30日 0時) (レス) id: d91f3f562f (このIDを非表示/違反報告)
ももニャン(プロフ) - 更新まってます！ (2016年10月9日 0時) (レス) id: d319533860 (このIDを非表示/違反報告)
瑠樺@深夜営業(プロフ) - 更新全裸待機してます！さすがに全裸は見苦しいですが！頑張ってください！応援してます！ (2016年9月23日 17時) (レス) id: 2e445ac1d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩梅なり | 作成日時：2016年5月10日 0時
