潮騒～Sound of Waves～ 2 (ページ22)

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61 ブラのストラップページ22

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「仕方ないから塗ってやるよ」

「いいよ！！自分で塗れる！！」

「これもったいねぇじゃん。ほれ、あっち向け」

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なんて事ないみたいに智がそう言うから、私だけ変に意識してると思われるのもヤだなと思って渋々後ろをむく。

ルミさんやケイコさん達がああ言うんだから、焼けるというのは嘘じゃないんだろう。

元々ちょっと焼けただけで真っ赤になる私は、一応SPF値の高いものを塗ってはいるけど、この汗ではもうその役割は果たさないことはわかる。

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ま、いっか。智だし。

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この日差しだというのにさっきまで水を使っていたからか、思いの外智の指先は冷んやりとした。

冷たいそれが何度かチューブからクリームを補い足しながら、私のうなじから肩にかけてをスルスルと滑る。

そのうち私は、それが智のものだとわかってはいるのに、何だか私の知らない智のような気がして。

周りの木々から響き渡る、煩いくらいの蝉の声が聞こえなくなった。

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智に触られるのはこれが初めてってわけじゃない。

子供の頃はこんなことよりももっと大胆なことだってしていたはずなのに、とてつもなく恥ずかしくなる私はどっかおかしいのかもしれない。

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ブラのストラップ、見えてないかな。

いくら智と言えども、男に普通の下着の肩紐を見られるのは抵抗がある。

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「…見えてる？」

おそるおそる聞いてみる。

「何が」

「肩ひも。ブラの」

「うん、白いの」

「だっ///…！！！見えてるんなら言ってよっ！！！」

「見えてるよ」

「今言っても遅いでしょってば！！！」

私がそう言って振り向くと。

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急に私が体を捩ったせいで、私のうなじから滑った智の手が、背中に。

私の服の中に、入り込んだ。

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「やだ、もう！！///わざとでしょっ」

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智のせいじゃないってわかってるけど。

わざとじゃないってこともわかってるけど。

でも小っ恥ずかしくってそんな風に言わずにはいられなくて、私が智を睨んでそう言ったら。

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「ご、ごめん」

智は慌てて私の背中から手を抜いて、みるみるうちに顔を赤く染めた。

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ざけんなよ、誰がわざとだよ、って。

笑ってそう言うと思ったのに、智は所在なさげにその手を見つめて立ち尽くす。

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そんな私達をいつからそこで見ていたのか、にのくんと櫻井さんが入り口近くで食材の入ったバットを持って立っているのが見えた。