潮騒～Sound of Waves～ 2 (ページ11)

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50 シカトページ11

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「…その潤くんっていう人のことが気になるの？にのくんよりも好きになりそう？」

メイちゃんが私に顔を近付けてきて、心配そうに小声で聞いてくる。

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「まさか！！全然そういうのじゃないの。なんて言うのかなぁ、…動揺したっていうか。それだけなんだけどね。それに今は…にのくんが好き。笑」

私がメイちゃんだけに聞こえるくらいのひそひそ声でそう言うと、メイちゃんは嬉しそうに笑った。

「それならよかった！ね、その人ってイケメン？」

「うん、すっごく」

「嘘！！にのくんよりも？」

「…全然タイプが違うからなぁ」

「えーなになに、ちょっとそこの二人！！さっきからコソコソなんか怪しい！！チラチラ俺のこと見てたでしょう！！

相葉さんってほんとにカッコイイよねーなんて噂してんじゃねぇのー？笑」

突然大きな声で相葉さんに声をかけられて、私達は顔を見合わせ、肩を竦めて笑った。

「あ、バレちゃいました？笑」

メイちゃんが戯けてそう答えると、相葉さんはそーゆーことなら本人に言ってよね！！と言ってこっちにやって来る。

私達の前の椅子を引いてそこに後ろ向きに座ると、背もたれに両腕を乗せて続きをどうぞと促した。

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にのくんもこっちに来てくれたらいいのにって、そう思ってたら。

「ニノもこっち来いよ」

相葉さんが声をかけてくれて、にのくんはハイハイと気怠げにゆっくりと立ち上がり、こっちに歩いて来る。

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ふふっ。来た！！

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「お前さぁ、さっき俺のことシカトしただろ」

にのくんは椅子を私の前に引き寄せながら、私の頬っぺたをツン、と指で突っついた。

「シカトなんて//」

ニヤニヤするメイちゃんを視界の端に見ながら、私はもうそれだけでキュンとするのを悟られないようにと必死で。

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その時、バン！と勢いよく開いたドアをみんなが一斉に見た。

するとそこには肩で息をする智が額やこめかみから汗を滴らせて立っていて、私に向かって歩いて来る。

「A」

「なによ」

「お前、バイトやめろ」

「は！？何言ってるの？もう今日から働くことになってるし、だいたい智が紹介してくれたんじゃん」

「あん時は知らなかったんだからしょーがねぇじゃん」

「何を？」

「あの店にさ、すっげぇ女ったらしがいるんだってば。さっきエミちゃんからバイトやめる理由聞いたんだ。だからやめとけ」

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智は流れる汗を拭おうともせず、必死の形相で私にそう言った。