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夢?(F視点) ページ2

夢を見た。



いつもの楽屋で
耳が痛くなるようなボリュームで会話をしているメンバーの姿。
そして我が物顔でソファーを陣取る“アイツ”



そんな見慣れた風景を遠目で見ている俺と、
入り口で立っているもう一人のアイツ…北山だ。



ソファーに居る北山は
俺を除くメンバーの様子を眺めていて、
前に居る北山は俺だけを見ている。



なんでかなんて分かるはずがないけど、
何となく察しがついたのは
俺を見る北山の目があまりにも優しいから。



その事に嬉しさを感じる一方で、
少し申し訳なくも感じたんだ。



ソファーに居るアイツは同じメンバーで仕事仲間、
前に居るアイツは“恋人”の北山だと思えたから。


軽い気持ちで想いを伝えたわけじゃないし、
北山も応えたわけじゃない。



それでも俺よりも考えて、悩んで、
知恵熱まで出しちゃうような奴だから
割り切れている所といない所があると思う。



決してそれを悟らせないけど
北山がこうやって二人居るのは多分、
メンバーと同じように見れないアイツの想いが
形になって現れている証。



その結果、俺と前に居る北山だけが孤立している。



けどそれは悪い事じゃないと思うし、
俺にも一時期あった…。



まあ、俺の場合は誰かさんのおかげで割り切れたんだけど。
…だから、今度は俺が力になってやらないといけない。



「ごめんな、北山。」



沢山考えさせて、悩ませて、熱まで出させて。
“大丈夫”なんて言って、本当は内に秘めてたんだよな。



それに気付いてやれない自分が情けないし、
そんな自分に腹立つけど



でも、



「もう離してやれないからさ、今度はこれから先の事…一緒に考えていこうよ。」



二人で考えて、沢山悩んで、
揃って知恵熱出しちゃうかもしれないけど
きっと俺達なら乗り越えていけるから。



ゆっくりと目を覚ますと、
いつの間にか自宅よりもリラックス出来るようになった恋人の部屋のベッドの上。



隣から聞こえる静かな寝息に、
頬を伝っていく一滴の涙はきっと安心感から。



幼さが残る寝顔を見て幸せ一杯になっていた頃、途端に顔を歪ませる北山に一瞬息が詰まった。


数分後に目を覚ました北山とじゃれあいながら
同じような夢を見た事を聞くと、
肝心な事が伝わっていなかった事、
泣いてる原因が俺だと知った。



思わず涙が零れそうになった俺に、
オロオロし始めた北山が凄く愛しくて
堪らず腕ん中に閉じ込めたら…




…容赦なく蹴られましたね、はい。



fin

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作者名:lai | 作成日時:2018年2月24日 18時

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