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しばらくして
マフィアの倉庫を開けたコードが、坂口安吾のものだと言うことが確信となった。
治さんも中也さんも、各自忙しくしているため、私は暇があれば坂口安吾について調べることにした。
首領の側近だからこそできることもあるのだ。
***
調べを続けると、坂口安吾はマフィア加入直後、湾岸沿いの小さな会計事務所で働いていたらしい。
ひとまずそこに行ってみよう。
「首領、少し出かけてきます」
「おや?どこに行くんだい?」
「首領ならもう分かっているでしょう?
……いって来ます。」
最近になって乗るようになった黒いバイクにまたがる。
こういうときにこの長い髪が忌々しくなる。
髪を一つに結い上げてまだ昼間の横浜を走り抜ける
***
刹那
閃光 爆発 黒煙
バランスを崩した私はバイクから投げ出された。
すぐに体制を立て直したが、そこには____
「おや、こんなところにマフィアの小公女がいるではないか。」
ボロを纏ったアンドレジイドがいた。
「ふむ…貴君を殺せばサクノスケは乃公を死へと導いてくれるのか?」
「いいえ、それは違うわ。」
「何故だ」
「何故?…そんなの決まりきってるじゃない。
何故なら私の死と彼の夢は無関係だからよ。」
「!!!」
「第一に、貴方に私は殺せないけれど」
そういって、私なりの精一杯の笑顔を作ってみせた。
「貴君は美しいな。乃公が見てきた誰よりも。まるで青い薔薇だ。」
「有難う?」
「まだ貴君には散らないでいて欲しい。此処では交わらないでおこう。」
「そうなの…」
「貴君の名は何という」
「私は…A。」
「そうか…Aか…。またいつか会おう」
そう言い残してジイドは去っていった。
だが、私達が二度目にあったときは、彼はもう死んでいた。
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作者名:あさ x他1人 | 作成日時:2019年12月31日 23時