夢か現か幻か T×Ki

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ピッ･･･ピッ･･･ピッ･･･ピッ･･･




機械の音と独特の匂い･･･




目が重くてなかなか開けられない･･･



開けてもモヤがかかってよく見えない･･･



「先生！先生！！」



切羽詰まった声。



耳はちゃんと聞こえてるんだな･･･




「北山さーん、北山さーん！聞こえますかー？」



うるせぇよ、聞こえてるよ･･･



「聞こえたら握ってもらってもいいですか？」



俺の手に暖かい何かが触れる。



そっと握り返そうとしても



なかなか力が入らない･･･




「反応ありました！」





「みつ！みつ！！聞こえてる？」





この声･･･




裕太？




ん？裕太？





え？なんで？




視界が明るくなる。




眩しっ･･･




「みつ！俺のことわかるっ！？ねぇ、みつ！」




「ちょっと落ち着いてください」




「･･･ここ･･････どこ･･････？」



声を出したけど、酷く掠れてる･･･



「みつ？わかる？俺！」



「ゆ･･････た？」



「そう！俺･･･」



俺の頬に暖かい何かが降ってくる。



「な･･･に･･･泣いて･･･んだ･･･よ」



手を伸ばしてその涙を拭ってあげたいのに･･･


なんで動かねぇんだよ、俺の腕。



「やっと目が覚めた･･･ずっと待ってた･･･」



あれ？俺･･････



「ゆ･･････た･･･こっち･･･きた･･･の？」



なんで裕太が紙の中の世界にきてんの？


「北山さんは今、目覚めたばかりで記憶が混乱している可能性があります」


待って、待ってくれ･･･


「落ち着いたら検査に入りたいと思いますのでご家族の方に来ていただいて･･･」


医者と裕太がなにか話してるけど、よく分からないまま･･･


ねぇ･･･俺って･･･どうなるの･･･？

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