気がついたら番外編

2 ページ7

「せちゅぶん、きせちゅ、わけりゅ、しゅる。きせちゅ、わかれりゅ、ちて、はりゅ、なりゅ」


「季節を分けるねぇ」


「で、春が来るってことは冬だったってこと？」


おぉ！ユウタ頭良い！！
そうだよ、そういうことだよ。


「きせちゅ、わかれりゅ、しゅる、わりゅい、もにょ、くりゅ」


「悪いもの？」


うーん、本来は邪気が来るからお祓いするって言いたいんだけど、そもそも邪気ってなんなのよ･･･
とりあえず･･･


「おに！」


俺はタイスケに促されるように鬼を描いていく。


「はぁ･･･魔物のようなものですかね･･･」


魔物がよくわからないけど、とりあえず頷いておく。


「わりゅもの、やっちゅける、まめ、ぶちゅける！そえ、まめまき」


「いいなぁ、みつの世界は豆まいたら悪者やっつけられるなんて･･･簡単すぎじゃね？」


いや、だからその･･･鬼と言っても鬼そのものじゃなくて･･･


言葉の壁！！！


「おにはしょと、ふくはうち、いう、して、なげりゅ」


「そんな呪文あってもなくても豆投げることにかわりないんだろ？」


ニカ･･････呪文って･･･
もう訂正するだけの気力もない。


「にか、おに、しゅる！きちゃーま、まめ、なげりゅ、しゅりゅ！」


こうなったらお前に豆を当ててやる！
痛いんだぞ！！


「みちゅー、手頃な豆持ってきたよー」


本来は炒った豆なんだよなぁ。
でもまぁ、この際ニカに当てられればそれでよし。


「あ、なんかそれ楽しそう！」


タイスケも乗ってくれる。
いいね、こっちの世界でも豆まき楽しめるなんて最高！
鬼役に思い切り投げ当てるのが楽しみなんだよなぁ。
3人と俺が豆を手に持った時。


「えー、俺もやりたい」


へんっだ、鬼役は豆投げられないんだよー！
豆当てられる役なんだから。


「魔法で鬼出せば俺も参加できるもんね！」


魔法･･･魔法･･･魔法っ！！！
それめっちゃつまんないやつ！！！


「よーっし、リアルな鬼出してやる」


やめてくれーーー！！！
魔力の無駄遣いしないでくれよー！！


「よしっ、やってみろー！」


ユウタも乗るんじゃないよ！
俺魔力ゼロだからなんかあったら、こんな豆じゃ退治できないやつー！！！




「ぎゃーーーーー、たーしゅぅーーー！こわーーーのぉーーーー！！！おにぃーーーーー」


逃げ回る俺はいつものピンクの魔方陣で救出されたが、その時の記憶はない。


異世界の節分･･･散々だ･･･

異世界のHappy Birthday 1→←異世界の節分1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す