気がついたら番外編

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｢俺も開けてみるね。チャーマがワタルと作ってくれたんでしょ？｣


コクコクと頷くと頭を撫でられる。


｢チャーマの世界のものだから作るの大変だったよね。そのチャーマの気持ちが嬉しい｣


うーん･･･多分大変だったのは俺じゃなくてワタルなんだけど･･･
カカオ豆からどうやってそうなったのかよくわかんないし。
なんなら俺がニカの作ってくれた筆で、具現化したのを渡してもよかったんだけど。


それじゃさ、バレンタインの意味が無くなっちゃうような気がして。


いやいや、向こうの世界の女子を悪く言ってる訳じゃなくて。
もちろん買ってきたものを渡してもいいんだよ！？
むしろ手作りよりも、有名ブランドのチョコの方が貰う方はホッとするけども！！


やっぱりこの世界で、一番最初のバレンタインは俺がちゃんと手作りしたかったんだよ。


ほぼほぼワタル作ってたけど･･･


｢わぁ、何コレ！バラ？ピンクのバラ？チャーマ、これ凄いよ！！｣


そう、1枚1枚作ってくっつけて。
あ、もちろん手は消毒してやりましたよ！！


ワタルが言ってたルビーとやら。
どうやら、そもそもの色がピンクでベリーみたいな酸味があるチョコらしい。
俺は知らなかったんだけどさ、どうやら俺がいなくなった後にあっちの世界で流行っているらしい。


俺の筆は物知り過ぎて驚きだよ。
まるで、やほーだな。


ピンクのチョコを見たらこれはタイスケだなって。
そう直感で思った。
そうしたらさ、バラ作りたいなって思っちゃったわけ。
もちろん生命の息吹ちゃんは自信作だけど、タイスケへのバラは･･･


俺の最高傑作だ！


｢食べるのもったいないけど･･･いただきます｣


口に入れたあと、タイスケの目が見開かれ、そのあとにっこり笑ってくれた。
やへぇ･･･それ、やばいやつ！！


｢何コレー！美味しすぎなんだけどー！それにこのバラもチャーマが作ったんだよね。愛を感じる！！｣


目を輝かせて言うタイスケに、俺も嬉しくなる。
だってさ、気持ちを込めて作ったんだ！


｢チャーマ様の愛情たっぷりですからね｣


初めての異世界でのバレンタインは大成功だ！！



｢ケント！お前のも食わせろ！！｣


ぱくっ


｢おえっ！！これ歯みがき粉じゃねぇかよ、よくこんな不味いの食えるな･･･｣


みんなの拳が飛んだのは言うまでもない。


何はともあれ、happy Valentine！！

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