気がついたら番外編

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恐る恐る手を伸ばしたワタルが選んだのは、最初に出した板チョコ。


おいっ、だったら最初から食べてくれよ。
そしてその震えてる手と口元はなんだっ！？
酷くね、ねぇねぇ、酷くね？
納豆とチョコレート、違うからな！
違う意味で衝撃受けやがれ！


ワタルがそっと口に運ぶ様を、じーーーーっと見つめる。


｢あ、甘い･･･｣


ワタルの目が見開かれ、めちゃくちゃ驚いた顔をされた。
甘いって情報言ってなかったっけか？
てか、この反応ってさ･･･
まさか、まさかの、この世界チョコレートないっ！？


｢わたぅ、ちょこえーと、おいちー？｣


コテンと首をかしげて聞いてみる。


｢美味しいです。なんですかっ！？この甘い食べ物はっ！？｣


｢にほー、おかち。にんき、ありゅ、しゅる。てーばん、おかち｣


｢人気の定番･･･なるほど･･･。他のもいいですか？｣


だろうな、だろうな。
最初の1口さえ行ってしまえば、あとはもう甘いの苦手じゃなければ問題なしなんだよ。


｢凄い、コレがバエですか？｣


あ、それは違う！


｢ばえ、ちゃいん！しゅき、ひと、おくりゅ、しゅる。きちゃーま、ちゅくる、ちたい｣


｢あー、なるほど。チャーマ様の世界では好きな人にこれを送る文化があるんですね｣


｢しょーよ｣


まぁ、チョコを送るのは企業の戦略だけどな。
そんな説明めんどくさいからカットだ、カット。


｢これは何が原材料なんですか？｣


え？えっと･･･カカオ豆？
そもそもカカオ豆からチョコレートになるまでなんて･･･知らねぇぞ？


『カカオ豆からチョコレートになるまで』


例の筆で空中に書くと、それが映像化される。
いやぁ、ニカ、本当にすげぇもん作ってくれたよな。
カカオ豆からチョコレートになるまでの過程なんて、俺もさすがに知らなかったぞ。


｢おや？コレは･･･デストーダの森の？｣


はいっ！？
俺がまたまたベストマッチな刑事さんになっちまったじゃねぇか！
待て待て待て！あるのかっ！？カカオ豆があるのかっ！？


｢コレは食べ物になるんですね｣


この口振りからだと、カカオ豆はあったもののどう扱っていいかわからなかった様子。


｢これは直接枝になってる大きな実なんですけど･･･凄いですね、これがチョコレートになるんですね｣


いやいや、俺も初めて見ましたよ。
カカオってこんなに大きな実だったのか！

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